x2(x+1)-y2=0やx4+y4-2x(x2-y2)=0のように,既約な2変数多項式f(x,y)に対してf(x,y)=0を満たす点(x,y)の全体を平面代数曲線(アフィン平面代数曲線)という。f(x,y)の次数がnのときn次曲線という。f(x,y)=0で定義される平面代数曲線c上の点(a,b)は,のとき特異点と呼ばれる。のときは正則点と呼ばれる。図1,2,3の平面曲線は原点が特異点であり,その他の点は正則点である。図1の特異点は通常二重点と呼ばれる。図よりわかるように通常二重点では異なる2本の接線(この場合はx-y=0,x+y=0)を引くことができる。図2の特異点は尖点と呼ばれる。尖点では接線は1本しか引くことができない。一方,図3の特異点では3本の接線x=0,x-y=0,x+y=0を引くことができる。一般にf(0,0)=0であれば,f(x,y)の次数のいちばん低い項をまとめたものをf0(x,y)と書くと(図1の場合f0(x,y)=x2-y2,図2の場合f0(x,y)=y2,図3の場合f0(x,y)=-2x(x2-y2)である),このとき,f0(x,y)の次数が1であれば原点は正則点,次数がm≧2であれば特異点であり,m位の特異点と呼ばれる。f0(x,y)の一次因子ax+byで定まる直線ax+by=0は接線になる。f0(x,y)が相異なるm個の一次式の積であるとき通常特異点と呼ばれる。
今日の代数幾何学では,通常は代数曲線は複素数や他の体のうえで考える。また射影空間の中で考えることが多い。代数曲線を解析的に取り扱うと閉リーマン面の理論になる。
執筆者:上野 健爾
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
一次元(既約)代数多様体を代数曲線という。とくに、二次元複素空間C2のなかの代数曲線を平面曲線という。平面曲線Γは、ある二変数の既約多項式f(X,Y)をゼロにする点全体からなっている。つまり、Γ={(x,y)∈C2|f(x,y)=0}で、このとき多項式fの次数を曲線Γの次数という。
平面曲線Γの点P=(x,y)が
(∂f/∂X)(x,y)
=(∂f/∂Y)(x,y)=0
を満たすとき、点PをΓの特異点という。特異点でない点で、曲線Γにただ1本の接線が引ける。Γの特異点は、存在したとしても、有限個しかないが、とくに特異点をもたないΓを滑らかな曲線という。
定義多項式fでX、Yをそれぞれ、X/Z,Y/Zで置き換え、分母をうまく払って得られるX、Y、Zの同次多項式で、二次元射影空間内に射影的代数多様体が決まる。このようなを射影的平面曲線というが、はΓに無限遠点を加えたもので、代数関数論やリーマン面論で重要な役をする。
[菅野恒雄]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…曲線は極座標を用いてG(r,θ)=0のようにも表すことができる。F(x,y)がx,yについての多項式のとき,F(x,y)=0で表される曲線を代数曲線といい,多項式の次数がnのとき,これをn次曲線という。一次曲線は直線で,二次曲線は円錐曲線(楕円,双曲線,放物線および交わる2直線)である。…
※「代数曲線」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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