ゴデチア(読み)ごでちあ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゴデチア」の意味・わかりやすい解説

ゴデチア
ごでちあ
[学] Clarkia Godetia

アカバナ科(APG分類:アカバナ科)のイロマツヨイの仲間の総称。北アメリカ西部、とくにカリフォルニアに多く、20種ほど知られる。ツキミソウに似た一年草。茎は直立し、高さ30~70センチメートル。葉は互生し長楕円(ちょうだえん)形。5~6月、茎頂の線状または総状花序に大形の4弁花を多数つける。花色は赤、桃、紫、橙(だいだい)、白などいろいろある。アモエナ種C. amoena (Lehm.) A.Nelson et J.F.Macbr.(G. amoena Lilja)とグランディフローラ種C. amoena subsp. lindleyiG. grandiflora Lindl.)をおもな親として交雑種がつくられ、多くの園芸品が知られている。矮性(わいせい)種から高性種まであり、矮性種は花壇用に、高性種は切り花用に用いられる。

 暖地では9月中・下旬に播種(はしゅ)し、10月中・下旬に20センチメートル間隔に定植するか、10月に直播(じかま)きする。寒地では早春に直播きする。肥料はやりすぎないようにする。

[魚躬詔一 2020年8月20日]


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改訂新版 世界大百科事典 「ゴデチア」の意味・わかりやすい解説

ゴデチア
farewell-to-spring
Godetia amoena Don.

マツヨイグサに似たピンクや紅の花を日中に開くアカバナ科の一年草。和名はイロマツヨイ。原産地は北アメリカ西部地方。草丈50~60cm,葉は線状披針形,茎は地際でよく分枝して5~6月に頂端に花をひらく。花は2枚の萼に包まれ,4弁,おしべ8本で,直径3~6cmの花が数日咲きつづける。水揚げもよく,つぼみがつづいて開くので切花としての需要が多い。種まきは9月下旬~10月上旬。花壇や鉢植えには高さ15cmの矮性種ゼムがよく,切花のためには高性種旭盃(きよくはい)(緋紅色頂天咲き)やミス長崎(サーモンピンク頂天咲き)がよい。耐寒性は強いので軽い霜よけ程度で越冬する。一般の花壇のためには小鉢に種を少量まいて霜よけ下で保護した苗を春に定植する。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゴデチア」の意味・わかりやすい解説

ゴデチア
Godetia; godetia

アカバナ科の一年草で北アメリカに約 20種が分布する。園芸的に栽培されるのは,おもにイロマツヨイとゴデチア・グランディフローラ G.grandifloraの2種。いずれもマツヨイグサに似た草姿の4弁花で,昼咲き性。この両者の交雑による園芸品種もつくられている。葉は披針形または線形で全縁。花色は緋紅色,鮮桃色,淡桃色,白色などの単色のほか,複色もあり多彩。分枝が多く,こんもりと茂る矮性品種は鉢植えや花壇用に,高性品種は切り花用に用いられる。一般には秋まき,寒冷地では春まきで育てる。直根性のためなるべく直まきし,移植はしないほうがよい。日当りのよい場所を好み土質は特に選ばない。じょうぶであるが,高温多湿には弱い。

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百科事典マイペディア 「ゴデチア」の意味・わかりやすい解説

ゴデチア

イロマツヨイとも。北米西岸原産のアカバナ科の一年草。よく分枝し,高さ20〜60cmになる。葉は細く,花は径3〜6cmの4弁で光沢のある紫紅色,花底が白い。緋(ひ),白色等の園芸品種もあり,高性品種では草たけ1mにもなる。花壇・切花用に向き,秋まきにすると5〜6月に,春まきの場合は6〜9月に開花

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