古生代後期から中生代前期に南半球に存在した、超大陸ゴンドワナにみられた特徴的な植物群。主としてグロッソプテリス類が優占していたため、グロッソプテリス植物群ともよばれる。寒冷なゴンドワナ大陸中央部に広がった氷床周辺に生じた植物群で、ほかに楔葉(けつよう)類(トクサ類)のスキゾネウラSchizoneura、ゼンマイ科などのシダ類がみられる。三畳紀に入り、大陸の温暖化と乾燥化が進行すると急速に衰退し、別系統の絶滅裸子植物ディクロイディウムDicroidiumやイチョウ類に特徴づけられるディクロイディウム植物群が新たに形成された。
[西田治文]
『西田誠編、進化生物学研究所・東京農業大学農業資料室共同企画『進化生研ライブラリー4 裸子植物のあゆみ――ゴンドワナの記憶をひもとく』(1999・信山社)』
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…陸橋説,大陸移動説などを経て,現在ではプレートテクトニクスによってゴンドワナ大陸の分裂と移動が説明されるようになった。 ゴンドワナ大陸を特徴づけるのは舌状単葉で網状脈をもったグロッソプテリス類が全体の9割も占めるグロッソプテリス植物群(またはゴンドワナ植物群Gondwana flora)で,北半球の多種多様な植物で構成されている植物群とは根本的に異なり,きびしい環境の下に出現したことを暗示している。共に産するものとして大葉類のPalaeovittaria,Gondwanidium,有節類のSchizoneura,楔葉類のTrizygia(Sphenophyllum),針葉樹類のNoeggerathiopsisなどがある。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」