ゴンドワナ大陸(読み)ごんどわなたいりく(英語表記)Gondwanaland

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゴンドワナ大陸」の意味・わかりやすい解説

ゴンドワナ大陸
ごんどわなたいりく
Gondwanaland

古生代後期から中生代にかけて南半球に存在していた、現在の南アメリカ、アフリカインド南極オーストラリアなどからなる超大陸ジュースがこれら諸大陸の地層の類似性から命名し、ウェゲナーがそれを大陸移動説によって説明した。論拠は、各大陸とも共通して次のような現象がみられることである。古生代末の氷河作用によるティライト(氷礫(ひょうれき)岩)や石炭層が存在する。グロッソプテリスなど特徴的な植物化石を主体とするゴンドワナ植物群が産出する。動物群も同様で、現在でも肺魚などこの超大陸独特の動物が南半球に生息している。超大陸を復原してみると、造山帯などの地質構造がよく連続し、岩石の放射年代もつなぎ目でよく一致する。

 ゴンドワナ大陸の地史は次のようにまとめられる。約3億5000万年前には一つの超大陸パンゲアが存在していた。パンゲアは北半球のローラシア(ユーラメリカ)とゴンドワナに分かれていて、両者の間の海がテチス海である。1億8000万年前になると、アフリカ‐南米地塊、南極‐オーストラリア地塊、インドに三分され、大西洋が開き始め、インドは北進を始めた。その後、南極とオーストラリアが分離し、インドはユーラシアと衝突してヒマラヤ山脈が形成された。

岩松 暉 2016年2月17日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゴンドワナ大陸」の意味・わかりやすい解説

ゴンドワナ大陸
ゴンドワナたいりく
Gondwanaland

中生代ジュラ紀前期から白亜紀後期にかけて南半球に広がっていたと考えられる大陸。今日のオーストラリアやインド,アフリカ,南アメリカ,南極などの地域には,ゴンドワナ系と呼ばれる陸成層が発達し,グロッソプテリスで代表されるゴンドワナ植物群や,陸生の動植物の化石が発見され,当時この地域が一つの大陸をなしていたと推定されている。海洋底拡大説では,ゴンドワナ大陸内にマントル対流の湧出口を生じ,マントル対流に乗って各大陸は分離したと考えられている。大陸移動説の提唱者であるアルフレッド・ロタール・ウェゲナーは,全大陸が一つになったパンゲアを考えたが,のちの研究者により,北にある巨大大陸をローラシア大陸,南にある巨大大陸をゴンドワナ大陸と分けるのがよいとされた。

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