クスノキ科(APG分類:クスノキ科)の落葉高木。北アメリカ原産。葉は互生し、卵形ないし楕円(だえん)形で長さ約10センチメートル、基部に3本の葉脈が目だつ。全縁または先端が3裂し、表面は緑色で裏面は灰白色を帯びる。雌雄異株。春に葉に先駆けて花をつけ、花被(かひ)は6枚で黄緑色、遅くなって咲く花は青色を帯びる。果実は直径1.5センチメートルほどの楕円形の核果で黒色に熟す。心材は橙褐色(とうかっしょく)、辺材は黄色で、昔は木質部を小片にしたものを生薬(しょうやく)とし、発汗、利尿剤に用いた。現在は根の皮に約7.5%含まれる精油が香料やたばこの芳香づけに用いられる。精油の主成分はサフロールで約80%含まれている。材は耐湿性があるので船材、桶(おけ)、柵(さく)などに使われる。
[星川清親 2018年8月21日]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報