サッサフラス(読み)さっさふらす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サッサフラス」の意味・わかりやすい解説

サッサフラス
さっさふらす
[学] Sassafras albidum (Nutt.) Ness
Sassafras variifolium kuntze

クスノキ科(APG分類:クスノキ科)の落葉高木。北アメリカ原産。葉は互生し、卵形ないし楕円(だえん)形で長さ約10センチメートル、基部に3本の葉脈が目だつ。全縁または先端が3裂し、表面は緑色裏面灰白色を帯びる。雌雄異株。春に葉に先駆けて花をつけ、花被(かひ)は6枚で黄緑色、遅くなって咲く花は青色を帯びる。果実直径1.5センチメートルほどの楕円形核果黒色に熟す。心材は橙褐色(とうかっしょく)、辺材は黄色で、昔は木質部を小片にしたものを生薬(しょうやく)とし、発汗、利尿剤に用いた。現在は根の皮に約7.5%含まれる精油香料たばこの芳香づけに用いられる。精油の主成分はサフロールで約80%含まれている。材は耐湿性があるので船材、桶(おけ)、柵(さく)などに使われる。

[星川清親 2018年8月21日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サッサフラス」の意味・わかりやすい解説

サッサフラス
Sassafras officinale; sassafras

クスノキ科の落葉高木で,北アメリカ東部原産。カナダからフロリダまで分布するが,北方では低木となる。葉は互生し,長さ8~12cm。上面緑色で下面は灰白色,卵形または楕円形,全縁で先端は3つに裂けることが多い。雌雄異株で,5月頃,葉にさきがけて直径約 7mmの緑黄色の花が総状に咲く。果実は楕円形の核果で直径 1.5cmあり,黒く熟する。材の小片を生薬ではサッサフラス木と呼び,成分はサフロールで,たばこに香りをつけたり,芳香原料に用いられる。材は軟らかくて弱いが,水に対する耐久力が強いので,枕木,船材,水桶などに用いられる。

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