サフランボル(英語表記)Safranbolu

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サフランボル」の意味・わかりやすい解説

サフランボル
Safranbolu

トルコ北西部,ゾングルダク県の町。黒海から 60km入ったギュムシュ谷に沿って開け,トルコ民家の古い町並みが残る町として知られる。古くから交通の要衝で,13~17世紀には交易路の中継地,隊商のための宿場町として繁栄をきわめた。職人たちの作業場兼住居であったトルコ風の家屋が並ぶチャルシュ地区,イスラム系以外の居住区でヨーロッパ風の家屋が並ぶクランキョイ地区,大邸宅が集まる北西部のバーラル地区に分けられる。全盛時代にチャルシュ地区の中央広場に建てられたキャラバンサライは,オスマン帝国とともに衰退し,現在では廃虚となっている。 1976年に旧市街の保護令が出されたものの,1982年に修復作業が始まるまで,有効な保存対策はなされなかった。 1994年世界遺産の文化遺産に登録。

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