サポステ(読み)さぽすて

共同通信ニュース用語解説 「サポステ」の解説

サポステ

正式名称は「地域若者サポートステーション」。求職活動をしていないニートひきこもりといった若年無業者就労支援を目的に、2006年度から設置が始まった。全国に170カ所以上あり、利用できるのは39歳まで。NPO法人などに運営を委託し、国と自治体が運営費を補助している。利用は原則無料だが、臨床心理士との面談や合宿型の生活訓練など一部のプログラムでは費用自己負担するケースがある。16年度の登録者数2万2885人に対し、就職者数は1万4157人(就職率61・9%)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サポステ」の意味・わかりやすい解説

サポステ
さぽすて

引きこもりやニートといった若者無業者の就職を支援する機関の愛称。正式名称は「地域若者サポートステーション」。厚生労働省の就労支援策「地域における若者自立支援ネットワーク整備モデル事業」に沿って、2006年(平成18)から設置が始まった。全国に約180か所ある。

 就労支援ノウハウをもつNPO法人や株式会社など民間事業者を厚生労働省が認定し、そこに事業を委託する仕組みである。ハローワーク公共職業安定所)、ジョブカフェのほか、学校・教育機関、発達障害者支援センターや精神保健福祉センターなどの福祉機関、都道府県・市区町村、民間支援団体などと連携。キャリアコンサルタントや臨床心理士らのカウンセリング、コミュニケーション・ビジネスマナー・パソコン・身だしなみ講座、就活セミナー、職業訓練、職場見学会、就業体験(ジョブトレ)、合宿型生活訓練などを通じて就労を支援する。利用対象は15歳から40代なかばまでで、仕事をせず、家事通学もしていない人。当初は34歳までを対象としたが、引きこもりやニートの高齢化に伴い、対象年齢を徐々に引き上げ、バブル経済崩壊後の就職氷河期に卒業した世代(40代なかばまで)も含めた。50代なかばまで拡大することも検討している。利用は原則無料であるが、臨床心理士の面談や合宿型訓練など一部に有料プログラムもある。保護者向けの子供との接し方講座や個別相談もある。総務省によると、15歳から44歳までの無業者は全国に約100万人(2016年度)。サポステ新規登録者は2018年度で1万6271人おり、うち就職や公的職業訓練につながった人は1万0104人であった。

[矢野 武 2019年11月20日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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