カービヤ(英語表記)Kāvya

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カービヤ」の意味・わかりやすい解説

カービヤ
Kāvya

サンスクリット語および俗語で書かれた美文体の文学作品をいう。読者に一定の情緒を起させ,もろもろの長所を含む文体をそなえ,修辞によって修飾された文学作品で,厳密にいえば,西欧の「詩」とは異なる。7世紀頃の詩論家ダンディンは,カービヤを,韻文散文,混交文に大別し,それぞれを細分している。伝統的な説では,大叙事詩『ラーマーヤナ』を最初のカービヤとする。馬鳴 (めみょう。アシュバゴーシャ,1~2世紀頃) ,バーサ (3世紀頃) を経て,カーリダーサ (4~5世紀) ,ババブーティ (8世紀) にいたって最盛期を迎えた。また,多数の詩論家も輩出した。

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