日本大百科全書(ニッポニカ) 「サーボモーター」の意味・わかりやすい解説
サーボモーター
さーぼもーたー
servo motor
サーボ制御において機械系の位置、速度等を制御するためのアクチュエーター(駆動装置)。サーボモーターとしては、「電動機」以外に「油圧モーター」なども使われる。しかし、現在では、電動機を用いるのが一般的である。さらに、サーボモーターに使われる電動機の種類により呼び名を使い分けることがある。サーボモーターが直流(DC)電動機の場合、DCサーボとよばれる。また、誘導電動機、永久磁石同期電動機などの交流(AC)電動機の場合、ACサーボとよばれる。ステッピングモーター、スイッチトリラクタンスモーター(SRM:switched reluctance motor)などもサーボモーターとして使用が可能である。
サーボモーターはサーボアンプと組み合わせてサーボ制御に用いられる。サーボアンプは制御指令とフィードバック値を比較演算し、それに応じてサーボモーターの運転状態(回転数、トルクなど)を調節する。サーボアンプは、そのためのモーターの駆動にふさわしい形に電力形態を変換するパワーエレクトロニクス回路を含む。ACサーボの場合、インバーターが用いられ、交流電力の周波数、電圧、電流、位相などを制御する。DCサーボの場合、直流電力の電圧または電流を制御する。一つの直流電力でモーターを正逆転させるために4個のスイッチで構成されたHブリッジ回路を用いる。サーボアンプにはモーターの状態を検出するためのセンサーからの信号を利用してフィードバック制御される。そのため、サーボモーターとサーボアンプの間は電力と信号を伝送するための多数のケーブルで接続する必要がある。2000年以降、サーボアンプをサーボモーターの内部に組み込んだ一体型サーボモーターも出現している。
[森本雅之]