サーモクロミズム(英語表記)thermochromism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サーモクロミズム」の意味・わかりやすい解説

サーモクロミズム
thermochromism

固体もしくは溶液の色が温度によって可逆的に変化する現象。原因は多岐にわたるが,温度による化合物の構造変化もその一つである。たとえば,無色のスピロピランの溶液が加熱により紫色に変化するのは,閉環構造から開環した平面構造をとるためである。また,デンプン糊(→デンプン)の溶液にヨウ素を加えると紫色になるが,加熱すると無色になる。これは,ヨウ素がデンプン鎖の螺旋の中に包接されて発色し,加熱により解離して無色となる現象である(ヨウ素デンプン反応)。このほか,Ag2HgI4や Cu2HgI4の固体は結晶構造の変化に伴うサーモクロミズムを示す。また近年では,スピン状態の変化に伴うサーモクロミズムも知られている(→スピンクロスオーバー錯体)。

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