ザキントス島(読み)ザキントストウ(その他表記)Zákinthos

デジタル大辞泉 「ザキントス島」の意味・読み・例文・類語

ザキントス‐とう〔‐タウ〕【ザキントス島】

ZakinthosΖάκυνθος》ギリシャ西部、イオニア海にある島。イオニア諸島に属す。英語名ザンテ島。中心地は東岸のザキントス。ペロポネソス半島の港町キリニとフェリーで結ばれる。ベネチア共和国の支配下で繁栄し、「東方の花」と称された。1953年をはじめ、過去にたびたび大地震による被害を受けている。同島の守護聖人ディオニシオスの聖遺物が安置されるアギオスディオニシオス教会には、毎年8月に数多くの巡礼者が訪れる。また、石灰岩断崖に囲まれ、白砂浜辺廃船が横たわるアギオスゲオルギオス湾(通称ナバイオ)は同島屈指の景勝地として知られる。詩人ディオニシオス=ソロモス、ウーゴ=フォスコロの生地。

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改訂新版 世界大百科事典 「ザキントス島」の意味・わかりやすい解説

ザキントス[島]
Zákinthos

このギリシア語の公式名のほかに,ザンテZante島というイタリア語系の名称も広く用いられる。ギリシア西部イオニア諸島に属し,その南端,ペロポネソス半島の沖20kmに位置する島。面積約410km2,人口3万9000(2001)。干しブドウブドウ酒オリーブ油などを産する。春と秋に咲く野草の美しさは特に有名。古典期にはポリスとして栄え,2世紀にローマ領土となる。15世紀から18世紀末までベネチア領であったので,イタリア系の文化の影響は今も色濃い。19世紀ギリシアの国民詩人D.ソロモスはこの島の出身。島の中心となる町もやはりザキントスと呼ばれ,農産物積出港セッケンの生産でも知られる。古来しばしば地震に見舞われ,1953年には全島が壊滅的な損害を受けた。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ザキントス島」の意味・わかりやすい解説

ザキントス島
ざきんとすとう
Zákinthos

ギリシア西部、イオニア諸島の最南部、ペロポネソス半島西岸沖に位置する島。面積402平方キロメートル。英語名ザンテZante。近くの小島をあわせてザキントス県をなし、県の人口は3万9300(2003推計)。県都は東岸のザキントス(人口1万2500、2003推計)。山がちで、島頂はブラヒオナ山(756メートル)。東部には平原が開け、人口が集中している。温和な気候に恵まれ、雨量も多く、オリーブ、ブドウの栽培が盛んである。

 島全体が火山帯の中心にあるため、地震によりしばしば大被害を受けてきた(1514、1893、1953)。古代にはアカイア人、アルカディア人の植民地となり、古代アテネの海軍基地にもなった。ベネチア支配下で繁栄し、その美しさは「イオニアの花嫁、レバントの華」と歌われた。文化的にもベネチアの影響が強く、近代ギリシア文学発祥の一中心地として知られ、偉大な詩人ソロモス、カルボス、フォスコロらを輩出した。

[真下とも子]

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世界大百科事典(旧版)内のザキントス島の言及

【イオニア[諸島]】より

…総面積2307km2,人口19万1000(1991)。北からケルキラ(一般にコルフの名で知られる),パクシ,レフカス,イターキ(古代名イタケー),ケファリニアザキントス(別名ザンテ),ずっと南に離れてキティラ。どの島も山が多いが,気候は温暖である。…

※「ザキントス島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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