シッキム州(読み)シッキム(英語表記)Sikkim

デジタル大辞泉 「シッキム州」の意味・読み・例文・類語

シッキム(Sikkim)

インド北東部、ヒマラヤ山脈南麓の州。州都ガントク中国とインドを結ぶ要路に位置する。もとシッキム王国でインドの保護領から1975年に州となる。住民はヒンズー教徒のネパール人とラマ教徒のボーティア族・レプチャ族

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シッキム州」の意味・わかりやすい解説

シッキム〔州〕
シッキム
Sikkim

インド北東部,ヒマラヤ山脈にある州。西はネパール,北と北東は中国チベット自治区南東ブータンと国境を接する。かつては王国であったが,1975年にインドに併合され,一州となった。州都はガントク大部分山地で最高点はカンチェンジュンガ(8586m)。このほかキラットチャリ(テント峰),カブルー,パウフンリなど 7000m以上の山々が連なる。1642年にチベット人のボーティア族が王国を建設。1816年イギリスダージリン地方(→ダージリン)に進出してから植民地化され,19世紀中頃にはヒマラヤ山脈部とティスタ川下流がイギリス領となり,1890年イギリスはと協定を結び全域をイギリス領インド(→インド帝国)の保護下に置いた。1947年のインド独立後はイギリスの至上権は消滅し,インドによる統治が継続,1950年には協定を締結し正式にインドの保護国となった。香辛料としても用いられるカルダモンの世界的な産地として知られ,標高 1500m以下の森林地帯にはリンゴ,オレンジの果樹園があり,灌漑が可能な場所では米作が行なわれる。それより高い傾斜地ではトウモロコシ,豆類,ムギ類を栽培。伝統的な手織りによる毛織物綿織物家内工業のほか,小規模な食品加工業も発展した。5~10月は南西モンスーン(→季節風)により降水量が多い。住民の過半数は 19世紀以後移住したネパール人で,先住民のレプチャ族高地に居住する。北東部にはボーティア族が住み,主として放牧を行なう。王国時代は仏教国教とされていたが,ネパール人がヒンドゥー教徒であるため,仏教徒は全住民の約 3分の1にすぎない。1977年設立のカンチェンジュンガ国立公園が 2016年世界遺産複合遺産に登録された。面積 7096km2人口 60万7688(2011)。

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