シデロスタット(その他表記)siderostat

翻訳|siderostat

デジタル大辞泉 「シデロスタット」の意味・読み・例文・類語

シデロスタット(siderostat)

時計仕掛けで動く1枚の鏡を用いて、日周運動で動く天体からの光を常に一定方向に送る装置

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「シデロスタット」の意味・読み・例文・類語

シデロスタット

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] siderostat ) 固定された天体望遠鏡に、回転する一枚平面鏡を用い、天体の光を任意の方向に送りこむ装置。写真観測や眼視観測に用いられる。〔モダン辞典(1930)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「シデロスタット」の意味・わかりやすい解説

シデロスタット
siderostat

日周運動をしている天体の光を,1枚の平面鏡を使って一定方向に反射させる装置。図においてANは極軸,ABはAの関節で極軸ANに接続している腕で,Bは,BC軸上を自由に滑れる関節である。BC軸に固定されている平面鏡は,関節Cで水平軸に支えられている。腕ABの長さとACの長さとは等しく作られているので,三角形ABCは二等辺三角形をなす。まず腕ABを目的とする天体に向けたのち,関節Aを締め,極軸ANを日周運動と同じ速さで回転させると,腕ABはつねに目的とする天体の方向を向く。腕ABの動きに従って,平面鏡の法線も変わる。この法線は二等辺三角形ABCの角Aの二等分線の方向と一致する。したがって,BA平行に進んできた光線は,平面鏡によってつねにACの水平方向に反射して進んでいく。このようにして日周運動をする天体の光は,いつもAC方向に反射させられるが,これにより作られる天体の像は,日周運動で移動するとともに回転をする欠点がある。構造が複雑なので,今はあまり使われていない。
シーロスタット →ヘリオスタット
執筆者:


出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シデロスタット」の意味・わかりやすい解説

シデロスタット
しでろすたっと
siderostat

日周運動をする太陽や天体からの光をつねに一定の方向に送って、地上に固定した分光器などの観測装置に導く装置の一種。巧妙なくふうによって、1枚の鏡だけを使って天体からの光を北半球では水平、真南の方向に反射させる。シーロスタットと異なり太陽像は時間とともに回転する。またヘリオスタットと違う点は真南の方向にしか光を取り出せないことである。

[山下泰正]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シデロスタット」の意味・わかりやすい解説

シデロスタット
siderostat

日周運動のため動いている天体の光を鏡に受けて一定方向へ送る装置。ヘリオスタットと構造は同じで,鏡は1枚。シーロスタットより構造の簡単な点が長所であるが,像の回転が生じる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android