シーロスタット(その他表記)coelostat

デジタル大辞泉 「シーロスタット」の意味・読み・例文・類語

シーロスタット(coelostat)

望遠鏡などの光学系において、日周運動をする天体からの光を2枚の平面鏡を使い、ある一定方向に導く装置太陽の分光観測などに用いられる。

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精選版 日本国語大辞典 「シーロスタット」の意味・読み・例文・類語

シーロスタット

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] coelostat ) 地球自転軸平行な軸に鏡を固定し、これを日周運動の速さの二分の一で回転させ、一定の方向に天体の光を導く装置。太陽の分光観測をはじめ天体の長時間撮影に用いられる。

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改訂新版 世界大百科事典 「シーロスタット」の意味・わかりやすい解説

シーロスタット
coelostat

日周運動で天球上を移動する天体の光を,2枚の平面鏡を使って地上に固定した観測装置に導く装置。天体の像は日周運動で移動しても回転をしない利点がある。大型の分光装置を必要とする太陽観測におもに用いられる。第1平面鏡の面上におかれた極軸は,日周運動の半分の速さで回転し,天体からの光をつねに第2平面鏡に送る。二つの平面鏡は互いに影にならないよう移動可能になっていて,通常第2平面鏡によって光を送り込む方向は,水平または垂直方向である。
ヘリオスタット
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シーロスタット」の意味・わかりやすい解説

シーロスタット
しーろすたっと
coelostat

日周運動をする太陽や天体からの光をつねに一定の方向に送り、地上に固定した分光器などの観測装置に導く装置。2面の平面鏡からなり、第1面は地球の自転軸に平行な極軸を含む面内にあり、極軸を日周運動の半分の速さで東から西へ駆動させると、天体からの光は一定の方向に反射される。第2面はこの光を目的の方向に反射させるためのもの。シデロスタットと異なり、極軸駆動によって太陽像は回転しないのが特長である。

[山下泰正]


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百科事典マイペディア 「シーロスタット」の意味・わかりやすい解説

シーロスタット

主鏡副鏡の2枚の平面鏡を使い,日周運動をする天体を追ってその光を一定方向へ導く装置。おもに太陽の長時間観測に使う。太陽の光を直接受ける主鏡は,天の南北極を通る軸のまわりを48時間に1回の速さで回転する。太陽の像が回転しないのが長所。太陽光線を真下に送る方式塔望遠鏡)と水平方向に送る方式(野外観測用)がある。
→関連項目ヘリオスタットリップマン

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シーロスタット」の意味・わかりやすい解説

シーロスタット
coelostat

日周運動のため動いている天体の光を鏡に受けて一定方向へ送る装置。2枚の平面鏡を用い,第1の鏡は赤道儀の極軸に平行に取付けて日周運動の半分の速度で回転させ,それを適当な位置に置いた第2の鏡で受けて垂直下方に向ける。望遠鏡を固定できるのが利点。

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