シビウ(読み)しびう(英語表記)Sibiu

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シビウ」の意味・わかりやすい解説

シビウ
しびう
Sibiu

ルーマニア中央部、シビウ県の県都。ドイツ名ヘルマンシュタットHermannstadt。トランシルバニア地方の南端にあり、オルト渓谷の北に位置する。人口15万5045(2002)。機械、金属繊維皮革、食品の各工業が発達している。紀元前にローマ植民地として要塞(ようさい)が築かれた。12世紀のドイツ人の植民により、交易、政治、文化の中心地として発展した。1989年のチャウシェスク社会主義政権崩壊後、ドイツ人は減少し、ルーマニア人が多数を占めるようになった。グリビツァ要塞塔、ブルケンタール博物館、国立劇場などがあり、中世おもかげを残す文化都市である。

[佐々田誠之助]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シビウ」の意味・わかりやすい解説

シビウ
Sibiu

ドイツ語ではヘルマンシュタット Hermannstadt,ハンガリー語ではナジセベン Nagyszeben。ルーマニア中部,シビウ県 (面積 5422km2。人口 45万 2800〈1992推計〉) の県都。オルト川に沿って南カルパート山脈を越えるトゥルヌロシュ渓谷の北に位置する。ローマの属領ダキアの植民都市として建設され,12世紀にはザクセン人が移住,14世紀にはドイツ系住民の行政,商業の中心地として繁栄した。当時の城壁,ルター派の聖堂などが残る。第2次世界大戦後ルーマニア領となった。機械,繊維,印刷,化学,皮革などの工業が行われ,ブカレストブラショブアラドなどと鉄道,道路で結ばれる。 18世紀のバロック様式宮殿に設けられたブルケンタール美術館はトランシルバニア地方最大の絵画,図書のコレクションを蔵する。国立劇場や宗教改革期に創設された中等学校,クルージ大学の分校もあり,文教の一中心となっている。人口 16万 9696 (1992推計) 。

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