ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シマアオジ」の意味・わかりやすい解説
シマアオジ
Emberiza aureola; yellow-breasted bunting
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スズメ目ホオジロ科の鳥。全長約14cm,スズメ大で,体型はすらりとしている。雌雄異色だが,どちらも黄色っぽく見える。雄は背面が栗色,顔からのどにかけて黒く,腹面は黄色い。上胸部に栗色のバンドがあり,肩のところに大きい白色紋がある。雌の背面は目だたない黄褐色,腹面は黄色い。東ヨーロッパからカムチャツカ半島にかけてユーラシア大陸の北部に広く分布し,冬は中国南部や南アジアへ渡る。日本では北海道で繁殖し,本州各地でも渡りの時期には見られる。低地の草原や牧草地にすむ。草丈の低いところを好み,高く茂る草原にはいない。一夫一妻で繁殖し,雄は強いなわばり性を示す。巣の近くと隣接者の近くとにさえずり活動を集中させる場所がある。鋭くチッと鳴き,草原内の低木など突出したところに止まって,よくとおる声でビーピー,ヒョーなどとさえずる。草の間の地上へわん形の巣をつくり,1腹5~7個の卵を産む。雌も雄も抱卵をするが,雄は抱卵中にもさえずる。
執筆者:中村 登流
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報