シマセンニュウ(その他表記)Locustella ochotensis; Middendorff's grasshopper warbler

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シマセンニュウ」の意味・わかりやすい解説

シマセンニュウ
Locustella ochotensis; Middendorff's grasshopper warbler

スズメ目センニュウ科。全長 16cm。背面はオリーブ褐色で,クリーム色の眉斑がある。下面は白いが,胸や脇は淡褐色を帯びている。ロシア本土のオホーツク海沿岸域,千島列島サハリン島,日本などに繁殖分布し,冬はフィリピンボルネオ島スラウェシ島などに渡る。日本では北海道伊豆諸島九州地方島嶼などに夏鳥(→渡り鳥)として渡来し,海岸近くの草原茂みの中で繁殖する。繁殖期には草の上に留まって,ヨシキリ類に似た声でよくさえずる(→さえずり)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シマセンニュウ」の意味・わかりやすい解説

シマセンニュウ
しませんにゅう / 島仙入
Middendorff's grasshopper warbler
[学] Locustella ochotensis

鳥綱スズメ目ヒタキ科ウグイス亜科の鳥。カムチャツカ半島、千島列島、北海道を含むオホーツク海沿岸に繁殖分布する。また別亜種が朝鮮半島、福岡県机島、伊豆諸島の三宅(みやけ)島と八丈島、三重県熊野灘(くまのなだ)沿岸の草原やメダケ林で繁殖する。ともにフィリピン、ボルネオ島などに渡り越冬する。全長約15センチメートル。上面はオリーブ褐色、下面は淡灰色。北海道では湿地近くの草原にすみ、草の中を伝い歩きしながら昆虫をとる。6、7月に地上近くに巣をつくり、5~6個の卵を産む。繁殖期の雄は、早口でさえずりながら丈の高い草の茎を伝い登り、空中へ舞い上がる。

[竹下信雄]

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世界大百科事典(旧版)内のシマセンニュウの言及

【センニュウ(仙入)】より

…どの種も全体に褐色のじみな羽色をしていて,外観はウグイスやヨシキリに似ている。この属はユーラシア大陸に広く分布し,日本ではエゾセンニュウL.fasciolata(イラスト),シマセンニュウL.ochotensis(イラスト),マキノセンニュウL.lanceolata(イラスト),ウチヤマセンニュウL.pleskeiの4種が生息し,シベリアセンニュウL.certhiolaが迷鳥としての記録がある。このうちウチヤマセンニュウは北海道と伊豆諸島や九州の離島で,他の3種は北海道だけで繁殖する。…

※「シマセンニュウ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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