食の医学館 「シミ・いぼ・白斑」の解説
しみいぼはくはん【シミ・いぼ・白斑】
《どんな病気か?》
〈いずれも皮膚の老化現象。がん化する心配はまずない〉
年をとると、顔や手の甲(こう)などに褐色のシミができるようになります。これは老人性色素斑といって、皮膚の老化現象によって起こるものです。日光の影響が大きく関係しているので、予防には若いころからできるだけ皮膚を日光にさらさないことです。
この色素斑(しきそはん)が古くなると、一部が盛り上がり、いぼ状になることがあります。いぼががん化することはまずありませんが、短期間にたくさんいぼができ、かゆみをともなうときは、内臓の悪性腫瘍(あくせいしゅよう)、とくに胃がんの兆候かもしれないので、医師の診察を受けたほうがいいでしょう。
色のついたシミではなく、皮膚の色が抜けて白い斑点ができることもあります。
これを老人性白斑(はくはん)といい、メラニン色素をつくる細胞が老化によって減ったり、働きが鈍ることによって起こります。
《関連する食品》
〈レバー、たまご、牛乳のパラアミノ安息香酸が有効〉
○栄養成分としての働きから
皮膚の健康をまもるには、ビタミンCやE、それにビタミンB群の仲間であるパラアミノ安息香酸(あんそくこうさん)などをとることです。
ビタミンCはブロッコリー、ナノハナ、ミカン、キウイなどのくだものや野菜に、ビタミンEはヒマワリ油、たらこ、ウナギ、アーモンドなどに含まれており、またパラアミノ安息香酸は牛乳、たまご、レバー、玄米(げんまい)などに含まれています。
いぼや白斑を防ぐには、ビタミンB2が有効です。老人にできるいぼは脂漏性疣贅(しろうせいゆうぜい)といって、皮脂の分泌(ぶんぴつ)が関係して起こりますが、ビタミンB2はこれを調節して皮膚を健康に保ちます。脂性(あぶらしょう)の肌の改善にも効果があります。
またビタミンB2は、たんぱく質の合成や脂肪酸の分解を助けて細胞の再生をうながしたり、色素をつくる細胞の機能を調節するので、白斑防止にもつながります。ビタミンB2は、レバー、サバ、カレイ、納豆に豊富です。
ビタミンCやB2は、体内にためておけないので、毎日とるように心がけてください。