日本大百科全書(ニッポニカ) 「シャジクソウ」の意味・わかりやすい解説
シャジクソウ
しゃじくそう / 車軸草
[学] Trifolium lupinaster L.
マメ科(APG分類:マメ科)の多年草。茎は叢生(そうせい)して斜上し、高さ15~50センチメートル。葉は3~5まれに6小葉からなる掌状複葉。葉柄は短く、托葉(たくよう)は膜質で上部まで葉柄に合着する。そのため小葉が節に輪生しているように見え、この名に由来した。小葉は倒披針(とうひしん)形で長さ2~5センチメートル、側脈は縁(へり)に達して鋸歯(きょし)に入る。6~8月、葉腋(ようえき)に花柄を出し、先端に10~20個の花を密につけ、頭状花序をなす。花は淡紅ないし紅紫色の蝶形花(ちょうけいか)で、長さ1.2~1.4センチメートル。萼(がく)は0.6~0.8センチメートルと長く、花期後も残って豆果を包む。豆果は3~6個の種子を含む。山地の乾いた草原や岩上などに生え、北海道、宮城県、群馬県、長野県、およびアジア、ヨーロッパ、アラスカの冷温帯、亜寒帯に分布する。
[立石庸一 2019年10月18日]