シュトゥック(読み)しゅとぅっく(英語表記)Franz von Stuck

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シュトゥック」の意味・わかりやすい解説

シュトゥック
しゅとぅっく
Franz von Stuck
(1863―1928)

ドイツ画家、版画家。彫刻、建築をも手がける。テッテンワイスに生まれ、ボヘミアのテッチェンで死去した。初め図画教師のコースを進んだが、1885年ミュンヘン美術学校に学び、以後同地に定住して制作した。ベックリンおよびレンバハに私淑し、宗教画神話に取材した寓意(ぐうい)画、肖像画を描く。牧歌的、叙情的内容とともに工芸的な形式を尊重し、世紀末のユーゲントシュティル(ユーゲント様式)に接近した。95年以降ミュンヘン美術学校教授として、カンディンスキー、クレーらを門下にもった。

[野村太郎]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シュトゥック」の意味・わかりやすい解説

シュトゥック
Stuck, Franz von

[生]1863.2.23. ブルクハウゼン,テッテンワイス
[没]1928.8.30. ミュンヘン
ドイツの画家,彫刻家,建築家。ミュンヘンの美術学校に学ぶ。ミュンヘン分離派の創立に参加。 1895年美術学校教授。教え子に W.カンディンスキーがいる。神話的主題の作品が多く,画風は A.ベックリンや F.レーンバハの影響を反映して神秘的かつ象徴的。代表作は『スフィンクス』 (1895,バイエルン州立絵画館) 。雑誌『ユーゲント』などに多くの挿絵を描き,挿絵画家としても活躍。建築の代表作はミュンヘンの自邸

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