日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジェノバ会議」の意味・わかりやすい解説
ジェノバ会議
じぇのばかいぎ
カンヌ会議(1922.1)の決定に従って、1922年4月10日~5月19日にイタリアのジェノバGenovaで34か国が参加して開かれた国際会議。当時のソ連が初めて国際会議に招かれ、第一次世界大戦後の経済復興問題が討議された。イギリス首相ロイド・ジョージは、ソ連援助のための国際借款団の結成を含む広範なヨーロッパ経済財政復興計画をもっていたが、強硬政策をとるフランス首相ポアンカレは、ドイツに対する賠償問題を討議から除外させ、ソ連援助に全面的な経済財政管理を要求するなどしてこれに対抗した。会議進行中にドイツとソ連が独自にラパロ条約を締結したため、会議は混乱し、成果なく終わった。
[栗原 優]