日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジシギ」の意味・わかりやすい解説
ジシギ
じしぎ / 地鷸
snipe
鳥綱チドリ目シギ科に属するオオジシギGallinago hardwickiiとチュウジシギG. megalaの総称。さらに広義には、同じタシギ属のタシギG. gallinago、ハリオシギG. stenura、アオシギG. solitaria、および別属のコシギLymnocryptes minimusを含める場合もある。いずれもよく似た種で、嘴(くちばし)はまっすぐで長く、頭部と体の上面には黒とクリーム色の縦線があり、目は大きくて頭の上のほうについている。オオジシギは日本で繁殖するが、ほかの種は旅鳥や冬鳥として渡来するだけである。水田や湿地、川岸などに潜み、敵が近づくとしゃがれた声を発して飛び立つ。長い嘴を土中に垂直に入れて、ミミズや昆虫を食べる。繁殖期には縄張りの上空を飛び回り、ディスプレーの際、尾羽を振動させて大きな音を発し急降下する。
[高野伸二]