オオジシギ(読み)おおじしぎ(英語表記)Latham's snipe

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オオジシギ」の意味・わかりやすい解説

オオジシギ
Gallinago hardwickii; Latham's snipe

チドリ目シギ科。全長 29~33cm。タシギに似ているが,やや大型で,頭部は黒色の頭側線,過眼線,頬線と,淡黄褐色の頭央線,眉斑,顎線とが縞模様をつくっている。背は黄褐色地に黒褐色の縦斑があり,頸や胸は淡褐色地に黒い斑が密にある。腹部は白く,脇には褐色の横斑がある。の裏は風切羽が灰褐色で,下雨覆羽が白と黒の波状の縞模様になる。ウスリー地方やサハリン島南部,日本の灌木の生えた草原湿原で繁殖し,オーストラリア南東部やタスマニア島で越冬する。繁殖期になると,「じじじじ,ずびゃーく,ずびゃーく」と聞こえる特有の鳴き声を発して大空を大きく飛び回り,硬い尾羽で風を切って「がががが」という音を立てて急降下するディスプレイを行なう。この生態からカミナリシギという俗名がある。日本では北海道から九州地方北部で繁殖し,南部では高原に,北部では平地に生息する。(→渉禽類

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オオジシギ」の意味・わかりやすい解説

オオジシギ
おおじしぎ / 大地鷸
Latham's snipe
[学] Gallinago hardwickii

鳥綱チドリ目シギ科の鳥。日本で繁殖し、冬はニューギニア島、オーストラリア、タスマニア島、ニュージーランドに渡る。日本には夏鳥として渡来する。全長約30センチメートル、翼長約15センチメートル。体はクリーム色、黒、褐色の複雑なまだら模様で、背を走るクリーム色の縦すじが目だつ。嘴(くちばし)はまっすぐで長い。本州中部以北の草原や高原で繁殖するが、この時期には雄はズビーヤク、ズビーヤクと鳴きながら飛び回り、ガガガ……と大きな尾羽の音を出して急降下するので、カミナリシギの異名がある。渡りのときには平地の水田、ハス田、湿地などにいて、ミミズ昆虫などをあさって食べる。

高野伸二

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