ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タシギ」の意味・わかりやすい解説
タシギ
Gallinago gallinago; snipe, common snipe
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チドリ目シギ科の鳥。全長約27cm。まっすぐで長いくちばしをもった中型のシギ。ユーラシア大陸北部,ヒマラヤ,北アメリカ北部および南アメリカ大陸の大部分で繁殖し,冬は暖かい地方へ移動する。日本には旅鳥または冬鳥として渡来し,数が多い。体の上面は灰褐色の地に黒い複雑な斑紋があり,頭部と背にクリーム色の太い縦の線があって目だつ。尾の先は橙褐色,胸とわきは淡黄褐色で胸には黒い縦斑,わきには横斑があり,腹は白い。8月下旬から9月ころ渡来し,水田,蓮田,湿地,川岸などに好んですむ。このためタシギの名がある。昼間は枯草の中や切株のそばに潜み,夕方から活動して餌をあさる。浅水や土の中にくちばしを垂直にさしこんで昆虫やミミズをとる。飛び立つときにジェッとしゃがれ声で鳴く。狩猟鳥として年間6万~9万羽も捕獲されている。
執筆者:高野 伸二
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鳥綱チドリ目シギ科の鳥。ユーラシアの中部以北、アフリカ南部、北アメリカの中部以北、南アメリカで繁殖し、冬は暖地へ渡る。日本には冬鳥または旅鳥として秋および春に多数渡来する。全長約27センチメートル、嘴(くちばし)はまっすぐで長い。体の上面にはクリーム色、黒色、褐色が入り混じった複雑な斑紋(はんもん)があるので、地面にじっと伏せていると保護色としての効果がある。水田、ハス田、川の浅瀬などにすみ、日中は水たまりや切り株のそばで休んでいて、夕方から活動を始める。餌(えさ)はミミズや昆虫である。ジェッと鳴いて飛び立つ。狩猟鳥として毎年15万~20万羽捕獲される。
[高野伸二]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…チュウジシギG.megala(英名Swinhoe’s snipe)は中部シベリアで繁殖し,日本には旅鳥として渡来し,水田や湿地にいる。 なお,タシギ属の総称として使われることもある。日本で記録されたタシギ属の種には,前2種のほかにタシギG.gallinago,ハリオシギG.stenura,アオシギG.solitariaがある。…
※「タシギ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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