アメリカのコンピュータメーカーであるアップル社の創業者。一般にスティーブ・ジョブズSteve Jobsとよばれる。カリフォルニア州サンフランシスコに生まれる。1972年リード大学に進学したが、半年で中退、コンピュータ・ゲーム製作会社アタリで働いたのち、1976年アップル・コンピュータ社(現、アップル社)を友人のスティーブ・ウォズニアックStephen G. Wozniak(1950― )らとともに立ち上げた。1977年パーソナルコンピュータ(パソコン)のアップルⅡを発売、使いやすさが受けて爆発的売上げを記録した。1980年アップルコンピュータ社は株を公開、それに伴ってジョブズは巨額の富を手にし、若くして大富豪となる。さらに1984年には、マウスとGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)を採用した画期的なパソコン、マッキントッシュを発売。しかしその技術は高く評価されたもののマッキントッシュは売上げが伸び悩んだため、ジョブズの立場は苦しくなり、社長のジョン・スカリーJohn Sculley(1939― )と対立、1985年にアップルを追われた。同年ネクストNeXT社を創設し、コンピュータを発売。また、1986年CG(コンピュータ・グラフィクス)映画製作会社ピクサーPixerを創設、1995年ディズニーの全編CGアニメ『トイ・ストーリー』を作成、大ヒットさせた。
一方、業績不振に陥っていたアップルは、1996年にNeXT社を買収し、ジョブズはアップルに復帰することになった。1997年暫定CEO(最高経営責任者)に就任、1998年に発売した斬新なデザインのパソコンiMac(アイマック)がヒット、2000年にCEOに就任した。2001年に携帯デジタル音楽プレーヤーiPod(アイポッド)を発売、さらに2003年には音楽配信サービスiTunes(アイチューンズ)ミュージック・ストア(現、iTunes Store)を開始して成功をおさめる。その後も2007年にiPhone(アイフォーン)でスマートフォン市場に参入、2010年にはiPad(アイパッド)を発売し、タブレット型端末普及の端緒を開いた。しかし、2004年に膵臓癌(すいぞうがん)、2009年には肝臓癌の手術を受けるなど、健康面で優れず、2011年8月にCEOを退き、同年10月5日に死去。
ジョブズはつねに新しい感覚で画期的製品を次々に送り出し、製品に対しては性能のみならず、デザインにも妥協を許さない姿勢をみせた。マイクロソフト社を創設したビル・ゲイツとはライバル関係にあり、つねに比較の対象とされていた。2009年には『フォーチュン』誌(アメリカの経済誌)において「過去10年でもっとも優れたCEO」に選ばれている。
[編集部]
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