ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジョンソン・サーリーフ」の意味・わかりやすい解説
ジョンソン・サーリーフ
Johnson-Sirleaf, Ellen
リベリアの政治家,経済学者。大統領(在任 2006~18)。選挙で選ばれたアフリカ初の女性国家元首。ゴラ族とドイツ人の血をひき,父親はリベリア先住民初の国会議員。モンロビアの西アフリカ大学で学び,17歳で結婚(のちに離婚)。1961年にアメリカ合衆国に留学して経済学と経営学を学び,1971年ハーバード大学で行政学の修士号を取得。トルバート政権で財務副大臣を,ドウ軍事独裁政権で財務大臣を務めた。誠実な財政運営を行なったが両元首と衝突し,ドウ政権下で 2度にわたり投獄された。1985年,上院議員に立候補した際に軍事政権を公然と批判し逮捕,懲役 10年の刑を言い渡されたがのち釈放され,出国を許可された。ケニアとアメリカで 12年に及ぶ亡命生活を送り,その間に世界銀行をはじめとする国際金融機関で活躍,1992年から 1997年まで国連開発計画アフリカ局長を務めた。1997年大統領選挙に立候補し,チャールズ・G.テーラーに次ぐ次点となったが,テーラー政権に反逆罪で告発され,再び亡命。2003年にテーラーが亡命したあと帰国。2005年の大統領選挙に決選投票で勝利し,2006年1月16日大統領に就任した。就任後ただちに債務改善に取り組み,国際社会に援助を求めたほか,真実和解委員会を設立し,政治腐敗の追及と民族間の緊張緩和にも取り組んだ。2011年,大統領選挙で,決選投票を制して 2期目の当選を果たした。同 2011年,「女性の安全のため,平和構築活動に女性が参加する権利のために非暴力で闘ってきた」という理由でリベリアの平和活動家リーマ・ボウイー,イエメンの人権活動家タワックル・カルマンとともにノーベル平和賞を授与された。
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