非暴力(読み)ヒボウリョク

デジタル大辞泉 「非暴力」の意味・読み・例文・類語

ひ‐ぼうりょく【非暴力】

暴力を用いず、断食座り込みボイコットサボタージュゼネストなどで民衆権力に対して抵抗すること。ガンジーキング牧師の指導もとに行われた運動が知られる。

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精選版 日本国語大辞典 「非暴力」の意味・読み・例文・類語

ひ‐ぼうりょく【非暴力】

  1. 〘 名詞 〙 物事を訴えたり主張したりする際に暴力を用いないで、座り込みやストライキ、ボイコットなどの手段を用いること。インドのガンジー、アメリカキング牧師の運動が知られる。
    1. [初出の実例]「暴力と闘うには非暴力にかぎるのでありましてェー」(出典:日本人のへそ(1969)〈井上ひさし〉一幕)

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改訂新版 世界大百科事典 「非暴力」の意味・わかりやすい解説

非暴力 (ひぼうりょく)

一般的には暴力を用いないことであるが,インド独立運動の父マハートマー・ガンディーによって政治理念として掲げられ,非協力不服従の粘り強い運動の根幹をなす。彼が南アフリカでインド人の人権擁護のための政治運動の理念として案出した〈サティヤーグラハ(真理の把捉)〉に起源を有する。この非暴力の原語はアヒンサーahiṃsāであるが,これは元来,古代のベーダの祭りの重要な要素として家畜を殺害すること(ヒンサー)に対して,輪廻とそこからの解脱を唱える人々によって強調された大きな徳目で,あらゆる生物を傷つけたり殺したりしないことを意味する。例えば,仏教ジャイナ教では,五戒の一つとして数えられている。漢訳語では〈不殺生〉と呼びならわされている。
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世界大百科事典(旧版)内の非暴力の言及

【ガンディー】より

…93年にある訴訟事件の依頼で南アフリカのナタールに渡ったことでその人生はコペルニクス的転換を見る。すなわちそこに働くインド人年季契約労働者の市民権獲得闘争を指導することとなり,自ら〈サティヤーグラハ(真理の把持)〉と名付ける大衆的非暴力抵抗運動を成功に導く。22年間アフリカに滞在し,第1次大戦勃発後の1915年1月インドに戻る。…

※「非暴力」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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