スウェーデンカブ(その他表記)swede
Russian turnip
Brassica napus L.var.napobrassica(Mill.)Reichb.

改訂新版 世界大百科事典 「スウェーデンカブ」の意味・わかりやすい解説

スウェーデンカブ
swede
Russian turnip
Brassica napus L.var.napobrassica(Mill.)Reichb.

アブラナ科の二年草で,ルタバガrutabagaともいう。葉や茎はキャベツによく似ていて,根はカブ状に肥大する。肉質は白または黄色。しかしカブとは別種で,染色体数やゲノム構成からセイヨウアブラナ同種とされている。春にとう立ちして,淡黄色の十字花をつける。ヨーロッパで古くから栽培されているが,日本へは明治時代に飼料用としてスウェーデンから導入され,良質のものは煮食用として,北海道,東北地方などで冬の野菜とされる。北海道を除いてはまとまった栽培はない。ヨーロッパでは料理用としての利用が盛んだが,冷涼地帯では飼料用として多く作られてきた。9月上旬に播種(はしゆ)し,12月ころより収穫する。冷涼でやや湿度の高い気候を好み耐寒性が強い。貯蔵性に富み,寒冷地の冬季の野菜および多汁質の家畜飼料として利用価値が高い。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「スウェーデンカブ」の意味・わかりやすい解説

スウェーデンカブ
すうぇーでんかぶ
[学] Brassica napus L. var. napobrassica (L.) Rchb.
Brassica napobrassica Mill.

アブラナ科(APG分類:アブラナ科)の二年草。葉と茎はキャベツ(別名カンラン)に似ており、根が大形のカブ状に肥大するのでカブカンラン(蕪甘藍)の名があるが、カブよりも首の部分が長く、水分は少なくて肉質は堅い。オオカブともよばれるが、カブとは別種で、セイヨウアブラナから突然変異で生じたものと考えられている。キャベツとカブとの交雑種との説もある。原産地はボヘミア地方といわれる。ヨーロッパの冷涼地で栽培され、イギリスなどでは、Sweden turnip(スウェーデンのカブ)とよばれ、またルタバガrutabagaの名もある。日本へは明治以降に欧米から導入されたとされているが、それ以前に北海道や東北地方で栽培されていた記録がある。耐寒性が強く、北海道で主として栽培される。冬季の家畜の飼料としても重要であるほか、良品質のものは煮食用として北海道、東北地方で冬の野菜とされる。かつては救荒作物としても重要であった。9月上旬に種を播(ま)くと、翌年の春にとう立ちして淡黄色の花を開く。収穫は12月ころとなる。

星川清親 2020年11月13日]

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百科事典マイペディア 「スウェーデンカブ」の意味・わかりやすい解説

スウェーデンカブ

ルタバガとも。地中海地方原産のアブラナ科の二年生飼料作物。9月上旬に播種し,翌年12月ころから収穫する。土壌乾燥に対しては弱いが,貧栄養,低温に対しては強い。根体は貯蔵性に富み,冬季間の家畜の多汁飼料として利用価値が高い。日本では北海道が主産地であるが,暖地でも冬作として作られる。

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