スタハーノフ運動(読み)スタハーノフうんどう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スタハーノフ運動」の意味・わかりやすい解説

スタハーノフ運動
スタハーノフうんどう

ソ連で第2次5ヵ年計画中の 1935年に始った労働生産性向上運動。国民生活全体に影響を及ぼした。 35年8月,ドンバス炭坑の採炭夫アレクセイ・スタハーノフは,社会主義的情熱と新技術の導入により,一交替時間中に 7tのノルマの 14倍に上る石炭を採掘した。このことがきっかけとなりすべての産業,交通,建築,農業部門でこの運動が展開され,模範を示した労働者は労働英雄としてたたえられた。第2次5ヵ年計画中に労働生産性は 82%増加したといわれる。しかし,この運動は労働強化となる一般労働者と生産性向上の任務を負わされる経営者からの反発を招き,現場ではさまざまな混乱も生じた。

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