ドンバス(英語表記)Donbass

デジタル大辞泉 「ドンバス」の意味・読み・例文・類語

ドンバス(Donbas/Донба́с)

《ドネツキー‐バセインドネツ盆地)からできた語》
ウクライナ東部、ドネツク州ルハンシク州を併せた地方の称。ロシア系住民が多く、2014年、両州の特にその傾向が強い地域がそれぞれ、ドネツク人民共和国・ルハンスク人民共和国として独立宣言。2022年、ロシア連邦がこれらの保護を名目に、ウクライナ全域に侵攻した。
ドネツ炭田異称

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精選版 日本国語大辞典 「ドンバス」の意味・読み・例文・類語

ドンバス

  1. ( Donbass ) ( ドネツ炭田略称 ) ウクライナ東部からロシア連邦ロストフ地方にまたがる大炭田。ドン川支流ドネツ川沿岸にある。一八世紀後半から採掘され、ソ連の第一次五か年計画で、クズネツク鉄鉱と組み合わされ、重化学工業地帯を形成した。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドンバス」の意味・わかりやすい解説

ドンバス
Donbass

正式名称はドネツ炭田 Donetsky Ugol'ny Basseyn。ドネツ盆地 Donetsky Basseynともいう。ウクライナ東部のドネツク,ルガンスク,ドネプロペトロフスクの3州,およびロシアのロストフ州にまたがる大炭田地帯。旧ドンバスは,ドネツク州を中心にドネツ川の南に約2万 3000km2の広がりをもつが,大ドンバスは西のドネプル川まで拡大し,東西 620km,南北 70~170km,総面積6万 km2をこえる。波状の平原とゆるやかな丘陵地帯から成り,最高点はドネツ丘陵の 367m。埋蔵量 (石炭は地下 1800mまで,褐炭は 600mまで) は 1280億t (1968推定) 。旧ソ連第1の炭田で,年間採掘量2億数千万t,旧ソ連の石炭産出量の3分の1強を占めていた。 1721年にこの地域で初めて石炭が発見されたが,開発は 19世紀初めまで行われず,本格的な開発は 1869年の鉄道開通後であった。第1次世界大戦前の 1913年にはロシアの石炭産出量の 87%を占めていたが,革命後クズバス (クズネツク炭田) その他の東部地域での開発が進むと,漸次その比重は減少した。採炭条件が悪く (坑道掘りの困難さと炭層の薄さ) ,産出量は 1970年代に減少したが,80年代に再び2億t台に漸増し,うちコークスが 40%を占める。石炭以外に天然ガス,水銀,岩塩,耐火煉瓦用粘土,石灰岩などの資源がある。ドンバスはまた,旧ソ連有数の工業地帯として知られていた。 1870年代より鉄冶金業が発達しはじめ,第1次世界大戦前はロシアの銑鉄の4分の3を生産していた。革命後,さらに重工業地帯として発展し,第2次世界大戦の戦災にもかかわらず復旧,その後の発達は著しかった。現在,ウクライナの鉄鋼業,重機械工業の中心地で,コークス製造による副製品と岩塩をもとに化学工業,セメント工業もあり,近年工業の一面的な発展を是正するため,食品工業や軽工業も導入されている。ドネツク,ルガンスク,ゴルロフカ,マケエフカ,クラマトルスクなど多数の都市が集中する都市集合地域であり,鉄道路線密度の高さはウクライナ第1である。

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改訂新版 世界大百科事典 「ドンバス」の意味・わかりやすい解説

ドンバス
Donbass

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百科事典マイペディア 「ドンバス」の意味・わかりやすい解説

ドンバス

ドネツ炭田

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドンバス」の意味・わかりやすい解説

ドンバス
どんばす

ドネツ炭田

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世界大百科事典(旧版)内のドンバスの言及

【ウクライナ】より

…(1)クリボイ・ログ地方(ドニエプロペトロフスク州) 鉄鉱石の豊富な埋蔵地で,1881年以来採鉱されており,鉄の含有率は68%に達する。(2)ドネツ炭田(ドンバスとも呼ぶ。ルガンスク州とドネツク州) 豊富な石炭埋蔵量を誇り,推定埋蔵量は635億~762億t。…

【ドネツ炭田】より

…ウクライナ東部とロシアにまたがる大炭田。ドンバスDonbassとも呼ばれる。炭田のある領域は約6万km2で,深さ1800m未満。…

※「ドンバス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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