翻訳|spanner
ボルト・ナットの組付けおよび取外しに用いられる工具。JISでは頭部の形から丸形,やり形(自動車用に多く使用)に,口の数から片口と両口に,また強さから丸形では普通級と強力級の別(やり形は丸形の普通級と強力級のほぼ中間)がある。スパナの大きさは口幅寸法(mm)で表し,両口スパナでは両端の口幅寸法の組合せを,例えば10×14のように表示する。スパナには適応するボルト・ナットの呼びを表示しているものもあるが,一般にはボルト・ナットの呼びからその頭の寸法を調べてスパナを選ぶ必要がある。これは,スパナの長さや厚さは,ふつうの力(人間が無理せずに出せる手先の力は20kgf程度)で,そのボルト・ナットがねじ切れない適当なモーメントが加えられるように設計されているからである。スパナには,このほか六角穴付きのボルトや止めねじ用の六角棒スパナ,スパナを回す余地のない狭い場所に便利なラチェットスパナ,ボルト頭が沈んでいる場合の箱スパナ(ボックススパナ)などがある。
スパナと同じ用途に用いられる工具にレンチwrenchと呼ばれるものがある。スパナとレンチに本質的な区別はなく,この種の工具はイギリスではスパナ,アメリカではレンチと呼ぶことが多い。日本のJISではモンキーレンチ,パイプレンチ,トルクレンチ,めがねレンチ,ソケットレンチなどレンチの名称で呼ばれているもののほうが多い。トルクレンチは締付けトルクが計測できるもの,めがねレンチは口が十二角形の閉じた形をしたものであり,ソケットレンチは一連の寸法のソケットが同一ハンドルに付け換えできるようになっている。
執筆者:笹谷 重康
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ボルトの頭またはナットを回すのに使われる道具。レンチwrenchともいう。柄の片方だけに開口部のあるものを片口スパナ、両方にあるのを両口スパナという。この開口スパナがもっとも普通に使用されている。スパナの大きさは、開口部の大きさをミリメートルで表した数値で示す。大きな力を必要とするときには口の開いていない閉口スパナが用いられ、締め付けるのに柄がじゃまになるような場合にはソケットスパナが用いられる。スパナを使用するときには、開口部の寸法がボルトの頭やナットの寸法にあったものを用いなければならない。開口部の寸法を自由に変えられるモンキースパナ(モンキーレンチ、または単にモンキーともいう)というのもある。スパナの材料は普通鋼または工具鋼で、鍛造、焼入れしてつくられる。
[中山秀太郎]
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