ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スピーゲル」の意味・わかりやすい解説
スピーゲル
Spiegel, Sam
[没]1985.12.31. フランス,サンマルタン島
オーストリア生まれのアメリカ合衆国の映画制作者。本名 Samuel Spiegel。ウィーン大学に学び,1920年代初めにパレスチナで「若き開拓者」の一人として働いた。1927年からハリウッドで台本翻訳の仕事につき,1930年ユニバーサル・スタジオのヨーロッパ事業部門の責任者としてドイツのベルリンに派遣された。1933年にナチスが政権を掌握するとドイツを脱出し,オーストリアのウィーンで暮らしたあと,1939年ハリウッドへ移り住んだ。初期の作品には『運命の饗宴』Tales of Manhattan(1942),『オーソン・ウェルズ IN ストレンジャー』The Stranger(1946)などがある。主要作品に『アフリカの女王』The African Queen(1951),『波止場』On the Waterfront(1954),『戦場にかける橋』The Bridge on the River Kwai(1957),『アラビアのロレンス』Lawrence of Arabia(1962)など。イギリスの劇作家ハロルド・ピンターの戯曲『背信』Betrayalの映画化作品(1983)が遺作となった。多額の制作費をかけた大規模な作品が多く,業界トップの役者,脚本家,監督を採用した。
スピーゲル
Spieghel, Adriaan van der
[没]1625.4.7. パドバ
ベルギーの解剖学者。発声器と聴器の研究をした J.カッセリオの弟子。 1616年パドバ大学教授。神経と肝臓を研究し,現在でも肝臓の尾状葉はスピーゲル葉と呼ばれている。著書"De humani corporis fabrica" (人体解剖学,10巻,1627) は当時までの解剖学を集大成したものである。
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