日本大百科全書(ニッポニカ) 「4Hクラブ」の意味・わかりやすい解説
4Hクラブ
よんえいちくらぶ
農村青少年クラブの一つの名称。農業改良助長法に基づき、1948年(昭和23)発足した農業・生活改良普及事業の一環として、農業改良普及員たちによって育成されることになったグループ活動。アメリカの4Hクラブに範をとり、4Hとは青少年のHead(頭脳)・Hand(技能)・Heart(心情)・Health(健康)を表し、その向上を図るものであった。アメリカでは農務省と協力する州立農科大学(または州立大学農学部)の校外教育事業extention serviceの面から積極的に進められた。日本でもクラブの急速な発展に呼応し、51年民間支持団体の日本4H協会が設立された。また、これら農村の青少年クラブの連絡協議体として全国農村青少年クラブ連絡協議会(1955)が発足、その後、全国4Hクラブ連絡協議会(1962)となり、さらに全国農業青年クラブ連絡協議会(1973)と改称、現在に至る。活動は、農林・漁業の職能の裏づけになるグループ学習とか、地域社会の新しい人間関係樹立を図るとか、目覚ましいものがあった。しかし、高度経済成長下での農村青少年の激減、高等学校進学者数の著増その他の情勢変動により会員は減少する一方だったが、前出の4Hの理念を堅持しながら、活動はいまなお続いている。したがって4Hクラブの呼称は存続している。なお、日本4H協会は、78年、その任務を社団法人全国農村青少年教育振興会に託し解散した。
[藤原英夫]
『社団法人全国農村青少年教育振興会編・刊『日本4H協会史』(1980)』