スペリオル湖(読み)すぺりおるこ(英語表記)Lake of Superior

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スペリオル湖」の意味・わかりやすい解説

スペリオル湖
すぺりおるこ
Lake of Superior

北アメリカ東部にある五大湖の一つ。北西端にあり、五大湖中最大の面積をもつ。世界最大の淡水湖。カナダのオンタリオ州、アメリカ合衆国ミネソタ州ウィスコンシン州ミシガン州に囲まれる。面積約8万2360平方キロメートル、うち2万9000平方キロメートルはカナダに属する。湖面標高184メートル、最大水深406メートル。周辺はカナダ楯状地(たてじょうち)の南端部で、針葉樹広葉樹混交林が広がる。五大湖のなかではもっとも気候が厳しく、航行が可能なのは年間6~7か月で、冬は凍結する。南東ヒューロン湖とはセント・マリーズ川とスー・セント・マリー運河でつながる。カナダ側である湖北西端のサンダー・ベイ、アメリカ合衆国側である湖西端のダルースが、五大湖水運の西の起点であり、プレーリー地域の穀物、周辺の鉱産資源などの積出し地となっている。北西部のアイル・ロイヤル国立公園など、沿岸はレクリエーション地が多い。その名は、フランスの毛皮商人が名づけた「上の湖」を意味するLac Supérieurに由来する。

[大竹一彦]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スペリオル湖」の意味・わかりやすい解説

スペリオル湖
スペリオルこ
Lake Superior

北アメリカ,五大湖のなかの北西端の湖。世界最大の淡水湖で,面積 8万2100km2,周囲 4768km,湖面標高 180m,最大水深 406m。アメリカ合衆国とカナダの国境にあり,東と北はカナダのオンタリオ州,西と南は合衆国のミネソタ,ウィスコンシン,ミシガンの各州に面する。湖岸は氷食され,岩がちで平野は少い。セントマリーズ川とセントジョーゼフ水道で,ヒューロン湖と結ばれる。湖には,アイルロイヤル,ミシピコーテンなどの諸島がある。湖岸は北アメリカ最大の鉄鉱産地でミネソタ,ミシガン州から鉄,銅,銀,ニッケルを産し,南岸のダルース,アッシュランドはその積出港として有名。北岸は,コムギ地帯で,ポートアーサーフォートウィリアムが積出港。冬季は凍結するため,航行不能となる。初めてヨーロッパ人がここを訪れたのは 17世紀前半のことである。その後毛皮商人が出入りして,カナダとの国境には,毛皮取扱い専門の会社が設立された。湖の名は,フランス語の Lac Supérieur (上流湖) に由来する。

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