スライド制(読み)すらいどせい(英語表記)sliding scale system

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スライド制」の意味・わかりやすい解説

スライド制
すらいどせい
sliding scale system

狭義には賃金消費者物価指数変動に応じて自動的に調整するスライディング・スケール制、つまり賃金の物価スライド制(賃金のエスカレータ条項)をいい、広義にはインデクセーションindexation(指数化)とよばれて、賃金や預貯金地代利子年金などを物価指数に結び付け、物価上昇による減価を補償する制度である。このためには、基準とすべき正確な物価統計の作成などが必要である。

[三富紀敬]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スライド制」の意味・わかりやすい解説

スライド制
スライドせい

生計費指数,利潤指数などに応じて賃金を自動的に調整する方法をいうが,通常は,物価・生計費指数 (これに代って消費者物価指数) による賃金,年金などの調整方法を意味する。今日では,社会保険の給付,特に年金給付について物価 (生計費) や賃金などの上昇に対応してその額を引上げていくことをいう。現在,国民年金法,厚生年金法などでは,総務省作成の全国消費者物価指数が直近の給付額の改定措置が講ぜられた前年の物価指数をこえ,または下がるにいたった場合においては,その上昇し,または低下した比率を基準として,その翌年の4月以降の当該年金たる給付の額を改定する (国民年金法 16条の2,厚生年金保険法 34) こととなっている。

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