セバスティアヌス(その他表記)Sebastianus

デジタル大辞泉 「セバスティアヌス」の意味・読み・例文・類語

セバスティアヌス(Sebastianus)

古代ローマ、ディオクレチアヌス帝近衛兵。3世紀末頃キリスト教徒となるが、迫害を受け殉教したと伝えられる。弓矢で射られて殉教する美しい若者の像としてよく描かれ、疫病に対する守護聖人とされる。生没年未詳。聖セバスチャン。

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関連語 荒木

精選版 日本国語大辞典 「セバスティアヌス」の意味・読み・例文・類語

セバスティアヌス

  1. ( [ラテン語] Sebastianus ) 三世紀末のキリスト教殉教者聖人ミラノの人。ディオクレティアヌス帝の近衛兵であったが、帝のキリスト教迫害にあって殉教したといわれる。「聖セバスティアヌスの殉教」の題で古くから絵画彫刻題材となっている。聖セバスチャン。

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改訂新版 世界大百科事典 「セバスティアヌス」の意味・わかりやすい解説

セバスティアヌス
Sebastianus

3世紀末~4世紀の殉教聖人。生没年不詳。ディオクレティアヌス帝の近衛兵であったが,キリスト教徒であることがわかり,生きた標的として射手たちに矢を射こまれる刑を受けた。しかし寡婦イレネIreneの介抱で奇跡的に快癒し,今度は棒で殴打されて殉教。ローマの下水道に投げ捨てられた死体は後に発見され,カタコンベに埋葬された。美術表現では受刑具の矢が持物で,射手や弩の使い手などの守護聖人。また,中世後期には,神の手から放たれた矢によって発病すると考えられていたペストに対する守護聖人として広く崇敬された。美術では殉教場面がもっともよく表現される。また,単独像でも,柱や杭に縛りつけられ,体に矢を突き刺された姿で表現される。ルネサンス以降は若く美しい青年の裸体を表す口実としてよく用いられた(マンテーニャやアントネロ・ダ・メッシナの作例など)。ロクスなどペストに対する他の守護聖人と並んで立つことも多い。祝日は1月20日。
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