日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
セルウィウス・トゥリウス
せるうぃうすとぅりうす
Servius Tullius
(前578ころ―前535ころ)
伝承上の古代ローマ第6代目の王。前代の王タルクィニウス・プリスクスの女婿。ローマを四つの都市地区(トリブス)と26の田園地区に分け、さらに市民を財産の多寡によって階級区分し、それを基礎に兵役義務と民会(兵員会)の投票権を定めたと伝えられる。だが、この改革は実際は紀元前5世紀なかば以降のもので、この王の業績に帰したとみる見方も有力である。また平民のための立法を行い、ローマに初めて城壁を設け、ディアナとフォルトゥナの神殿を建てたともいわれる。娘トゥリア、すなわちローマ最後の王タルクィニウス・スペルブスの妻に殺された。
[長谷川博隆]