セールスマンの死(読み)セールスマンノシ(英語表記)Death of a Salesman

デジタル大辞泉 「セールスマンの死」の意味・読み・例文・類語

セールスマンのし【セールスマンの死】

《原題Death of a Salesmanアーサー=ミラーの戯曲。2幕。1949年初演。仕事と息子にかけた夢が破れ、狂気に陥って自殺する老セールスマンを描く。

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精選版 日本国語大辞典 「セールスマンの死」の意味・読み・例文・類語

セールスマンのし【セールスマンの死】

  1. ( 原題[英語] Death of a Salesman ) 戯曲。アーサー=ミラー作。二幕およびエピローグ。一九四九年ニューヨークで初演。巨大にふくらみメカニックになった現代アメリカ悲劇を、典型的なアメリカ小市民、ウイリー=ローマン家庭を通して描く。昭和二九年(一九五四)日本初演。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「セールスマンの死」の意味・わかりやすい解説

セールスマンの死
せーるすまんのし
Death of a Salesman

アメリカの劇作家アーサー・ミラーの二幕戯曲。主人公ウィリー・ローマンは新時代の変化に対応できない老セールスマン。社会から脱落するにつれて精神の平衡を失い、2人の息子に託した夢も破れる。すべてに挫折(ざせつ)して初めて自己の実体に気づいた彼は、保険金目当てに自動車を暴走させ自殺する。

 この作品は1949年2月、ニューヨークのモロスコ劇場でエリア・カザン演出により上演され、翌年11月まで742回のロング・ランを記録した。巨大な資本主義機構に打ちひしがれる人間の物語の形を借りて、ギリシア悲劇理念を現代の平凡な人間像に生かし、「夢と現実乖離(かいり)」の主題を、フラッシュ・バックの手法を駆使した大胆な舞台展開のもとに描き、大きな成功を収めた。なお、日本における上演は劇団民芸が滝沢修主演で行ったものが有名。初演は1954年(昭和29)。

[有賀文康]

『倉橋健訳『アーサー・ミラー全集Ⅰ』(1977・早川書房)』

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改訂新版 世界大百科事典 「セールスマンの死」の意味・わかりやすい解説

セールスマンの死 (セールスマンのし)
Death of a Salesman

アメリカの劇作家A.ミラーの代表作。1949年初演。過去の夢を追って現実を直視できない時代おくれのセールスマン,ウィリー・ローマンが,息子に託した成功の夢も破れて,保険金目あてに車を暴走させて自殺する悲劇。主人公の意識の流れにそって舞台上で現実と回想の場面が交錯する手法が効果的である。《欲望という名の電車》とともに戦後アメリカ演劇の双璧となった。51年映画化。日本では劇団民芸により滝沢修の主演で54年に紹介された。
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百科事典マイペディア 「セールスマンの死」の意味・わかりやすい解説

セールスマンの死【セールスマンのし】

A.ミラーの戯曲。《Death of a Salesman》。1949年初演。60歳を越えたセールスマンのウィリー・ローマンは休職を宣告され,夢を託した2人の息子も成功せず,ついに自殺するという話を冷静に描き,資本主義社会にとり残された庶民の運命を暗示している。
→関連項目滝沢修民芸

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セールスマンの死」の意味・わかりやすい解説

セールスマンの死
セールスマンのし
Death of a Salesman

アメリカの劇作家 A.ミラーの戯曲。「2幕と鎮魂曲から成るある私的な会話」という副題をもつ。 1949年ニューヨークのモロスコ劇場で初演。演出 E.カザン。セールスマンとしての成功という夢にすがって生きながら,自殺に追込まれるウィリー・ローマンの悲劇を描く。 19世紀的なフロンティアが喪失したにもかかわらず,経済的な自由競争を追い続けた老セールスマンの苦悩を,現実と回想を巧みに織りなす手法で描いている。

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デジタル大辞泉プラス 「セールスマンの死」の解説

セールスマンの死

①1949年初演のアーサー・ミラーによる戯曲。原題《Death of a Salesman》。老いたセールスマンの人生の転落を描いた作品。1949年に第3回トニー賞(演劇作品賞)を受賞。
②1951年製作のアメリカ映画。原題《Death of a Salesman》。①の映画化。監督:ラズロ・ベネデク、出演:フレデリック・マーチ、ミルドレッド・ダンノック、ケビン・マッカーシーほか。

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