タイトオイル(その他表記)tight oil

翻訳|tight oil

デジタル大辞泉 「タイトオイル」の意味・読み・例文・類語

タイト‐オイル(tight oil)

シェールオイルタイトサンドオイル総称

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タイトオイル」の意味・わかりやすい解説

タイトオイル
tight oil

頁岩シェール)から採取される原油。シェールオイルと呼ぶ場合もある。石油天然ガスは,植物やプランクトンなどの有機物が地下に堆積され,温度,圧力バクテリアなどの作用により分解することで生成される。それが地層割れ目を通って上方に移動し貯留岩に集積するが,堅硬な地層に妨げられて移動できず,根源岩の中にとどまったものがタイトオイルやシェールガスである。オイルシェールと呼ばれる資源もあるが,これは分解が不十分で石油になりきらない未熟成の炭化水素であり,タイトオイルとは別ものである。タイトオイルの商業規模での生産はシェールガスの採掘技術(水平掘削,水圧破砕法)を転用して行なわれ,アメリカ合衆国とカナダに集中している。2000年代の石油,ガスの高価格に支えられ,2008年以降シェールガスの生産が急激に拡大した。これに続いてタイトオイルの生産も増大し,アメリカで産出されるタイトオイルは概して軽質・低硫黄で天然ガスと比較して市場価値が高いことから,近年ではもっぱら石油生産を目的とした開発が中心となった。資源はアメリカ以外にもロシアや中国,オーストラリアアルゼンチンフランスなど世界的に広く分布する。しかし生産には多量の水を使用するため,たとえば中国やオーストラリアでは水資源制約を受け,また水圧破砕に伴う水質汚染や微細地震などの環境への影響が懸念されることから,ヨーロッパ南アメリカでは開発への反対が起こった。さらにアメリカでシェール開発が急激に盛んになった背景には独特の鉱業権制度も寄与しており,北アメリカ以外でタイトオイルの生産が拡大するには課題が多い。(→エネルギー資源

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android