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水資源 みずしげんwater resources

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

水資源
みずしげん
water resources

資源として利用できる水。地球上の水は太陽熱で蒸発して水蒸気となり,大気中で凝結してとなって地上に帰り,一部は地中にしみこんで地下水になるが,大部分は河川水となって海洋に戻る(→循環水)。このように循環している地球上の水の総量は 14億km3といわれているが,その大部分は海水で,淡水はわずか 2.7%にすぎない。また淡水の大部分は極地氷山氷河や 750m以深の地下水で,水資源として利用できる河川湖沼などの地表水と一部の地下水は,地球上の水の総量の 1%にも満たない。水資源の賦存量は降水量から蒸発散を差し引き,面積を乗じて算出される。日本の場合,年間降水量は平均約 1800mm,年間蒸発散は平均約 600mm,国土面積は約 38万km2なので,水資源の賦存量は年間約 4500億m3になる。年間降水量は世界平均約 700mmの 2.5倍と著しく多いが,人口のわりに国土が狭いため,1人あたりの年間降水量は世界平均 3万2000m3の 5分の1の 6500m3にすぎず,必ずしも豊かとはいえない。しかも降水量は年によって変動がある。一方,水の需要は生活水準の向上や社会活動の増大に伴って増加し続けており,水資源開発は開発適地の減少や水源地域対策の遅れなどで施設の建設期間が延び,開発コストも上昇,そのため大都市だけでなく地方都市にも水不足のおそれが広がっている。特に南関東,京阪神,北部九州などで水不足は深刻化しやすい。水資源の開発はおもにダム河口堰の建設,湖沼開発などによって行なわれきたが,近年では新たな水源対策として,下水処理水の再生利用遊水池やダムの多目的利用,海水淡水化流況調整河川や河口湖や地下ダムの建設などが行なわれている。(→水行政

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デジタル大辞泉の解説

みず‐しげん〔みづ‐〕【水資源】

農業・工業発電などに利用しうる資源としての水。水の需要が急増し、新たな水源の開発が必要となっていわれはじめた。

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百科事典マイペディアの解説

水資源【みずしげん】

土地資源,鉱物資源とならぶ基礎資源の一つ。日本の年間平均降水量は約1800mmで,その総量は約6600億m3。この約3分の2が地表水地下水の形で主たる供給源となり,そのほか下水処理水のような回収水,淡水化された海水などが加わる。
→関連項目資源総合地球環境学研究所

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世界大百科事典 第2版の解説

みずしげん【水資源】

資源には更新不可能な資源(石油,鉄鉱石など,一般に資源といわれるもののほとんど)と,更新可能な資源とがある。水は,雲,雨,氷,海水などと形態を変えつつ地球上で循環しており,その循環過程の途中で河川や湖から取り出され,水資源として人間生活に利用される。この水利用過程では,水は汚染されるだけで,本質的にその形質が変わるわけではなく,再利用が可能である。その意味で水は更新可能な資源ということができるが,通常は循環過程の中の淡水状態で存在する河川や湖の水を取り出し利用するので,地球上の水の総量と各形態の水の循環回数が一定という条件の下では,淡水状で存在する循環量以上に利用することはできない。

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大辞林 第三版の解説

みずしげん【水資源】

人間が生活や生産に役立てる資源としての水。 「 -の開発」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

水資源
みずしげん
water resources

人の生活、生産活動などのために利用可能な水。水は生活用水(家庭用水:飲料用、調理用、洗濯用、風呂用、トイレ用など、都市活動用水:営業用、事業所用、公共用など)、工業用水(ボイラー用、原料用、製品処理用、洗浄用、冷却用など)、農業用水(水田・畑灌漑(かんがい)用、畜産用など)、水力発電などに使用される。水資源として河川水、湖沼水、湧水(ゆうすい)、地下水などが使用される。水資源の源は降水であり、水資源は再生可能な資源である。川 登]

日本の水資源

日本では水資源として、おもに河川水と地下水が使用されている。日本の河川は流域が小さく、勾配(こうばい)が急で、河川流量は降雨や融雪があると多くなり、ないと少なくなり、降雨や融雪の状況に応じて変動する。日本の年平均降水量は1690ミリメートルで、世界(陸域)の年平均降水量の約2倍と多く、また降水は年間を通じてあるが、降水量は梅雨期、台風期、降雪期に多く、季節的に変化するために、年間の河川流量は変動する。そのため河川水を1年を通して安定して利用するためにはダムをつくり、流量が多いときに貯水し、少ないときに放流して不足分を補うことが必要になる。河川水を使用するときは河川管理者(国、都道府県)の許可(水利権)を得ることが必要である。地下水は過剰に揚水すると、地下水位が低下し、枯渇したり、地盤沈下を生じたりするので、適正に管理することが必要である。地下水の揚水が規制されている地域もある。量はわずかであるが、海水の淡水化、雨水や下水処理水の利用も行われている。川 登]

日本の水利用

日本では、弥生時代に水の得やすいところで水田稲作が行われた。古墳時代以降、水田開発のために灌漑用の溜池(ためいけ)や用水路などがつくられた。江戸時代には、新田開発のために河川に堰(せき)をつくり、用水路を開削するなどの灌漑事業が各地で実施された。東京(江戸)、水戸、金沢、名古屋、鹿児島などでは河川や湧泉(ゆうせん)を水源とする水道が敷設された。
 明治時代以降も灌漑用ダムの建設、揚水機場の設置などにより灌漑用水の開発が進められた。1887年(明治20)に横浜で近代式水道が敷設されたのを始めとして、明治時代に函館(はこだて)、長崎、大阪、広島、東京、神戸などで近代式水道が敷設された。これらの水道は河川を水源とし、長崎、神戸では水道用のダムがつくられた。大正時代以降も水道の敷設が進められた。1890年に水力発電が始められた。大正時代以降には発電用のダムがつくられ、水力開発が進められた。昭和30年代以降の産業の発展と都市への人口集中の進展、生活様式の変化などにより都市における工業用水および生活用水の需要が増加し、ダム建設などによる水資源開発が進められた。1997年(平成9)ごろからは節水技術の進展、産業構造の転換、経済成長の鈍化、水稲作付面積の減少などにより水使用量は減少している。平成24年版「日本の水資源」(国土交通省水管理・国土保全局水資源部)によると、2009年(平成21)における全国の水使用量は約815億立方メートル(1997年の水使用量の91%)で、そのうち67%は農業用水、19%は生活用水、14%は工業用水として使用されている。水源は河川水が88%、地下水が12%である。水力発電の2010年度の発電電力量は約907億キロワット時で、全発電電力量の7.9%を占めている。近年は再生可能エネルギーの一つとして用水路などを利用した小規模な水力発電が注目されている。川 登]

世界の水資源

地球上の水の総量は13億8600万立方キロメートルとされる。そのうちの96.5%までが海水である。ついで大きな割合を占めるのが、氷雪(2406万立方キロメートル)であり、その90%近く(2160万立方キロメートル)は南極にある。地下水(2340万立方キロメートル)、湖水(18万立方キロメートル)がそれに続く。地下水、湖水には塩水等も多く、地球上の水のうち、水資源としてもっとも利用価値の高い淡水は3500万立方キロメートルで、全体の2.5%を占めるにすぎない。これには氷雪や凍土に含まれる水分、利用できないほど深い位置にあったり、地層内に閉じこめられたりしている地下水も含まれており、水利用の鍵(かぎ)となる河川水、利用可能な地下水は限られている。
 河川水などの供給源となる降水量の多寡は、地域によって著しく異なり、年間を通しての季節による偏りも場所によって大きな違いがある。それが気候の違いによる農業形態の違いや地域ごとの生活様式の違いを生み、文明の発達・盛衰にも影響してきた側面がある。たとえば、ナイル川における毎年の氾濫(はんらん)を農業暦のなかに組み込んだ耕作をしていたとされる古代エジプトでは、一種の自然災害を土壌の供給・灌漑の機会ととらえ、利水に結び付けていた。氾濫時期を正確に予測するために天文観測が発達し、その結果、暦が発達したとされている。また古代ローマ帝国では、多くの人口を抱える首都ローマに上水を引くために水道(ローマ水道)が建設された。その一部である水道橋は当時の建設技術の高さを示しながら現在も残っている。砂漠に残された遺跡・ペトラや「天空の都市」とよばれるマチュ・ピチュにも高度な利水施設の痕跡(こんせき)がある。
 20世紀に入ってからは、先進国ではダムの建設や上水道の敷設などが進み、水利用の制限・限定性は低くなってきている。とはいえ、水質汚染の問題は直接の原因を変えながらも繰り返し発生し続けている。
 一方、開発途上国を中心に上水が十分に手に入らない人々は依然少なくない。安心して飲める飲料水が手に入らないという人々の数は世界人口のかなりの数を占めている。こうした問題を克服しようという水資源の開発が大規模であればあるほど、自然破壊や生態系の問題を引き起こす可能性も高い。また、水をめぐって国際紛争が引き起こされるなど、世界の水資源の問題は絶えない。
 このような問題・課題を背景に1996年、国際復興開発銀行(IBRD。通称、世界銀行)と国連教育科学文化機関(UNESCO)の国際機関等が中心となり、世界水会議(WWC=World Water Council)が設立され、1997年より3年に一度、世界の水問題を議論する会議、世界水フォーラムが開催されている。[加藤幸治]
『中澤弌仁他著『土木工学大系24 ケーススタディ水資源』(1978・彰国社) ▽中澤弌仁著『水資源の科学』(1991・朝倉書店) ▽水文・水資源学会編『水文・水資源ハンドブック』(1997・朝倉書店) ▽国土庁水資源部編『新しい全国総合水資源計画』(1999・大蔵省印刷局) ▽世界水ビジョン川と水委員会編『世界水ビジョン』(2001・山海堂) ▽国土交通省土地・水資源局水資源部編『日本の水資源』各年版(財務省印刷局)』

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世界大百科事典内の水資源の言及

【資源】より

…(1)自然の状態で,十分に〈濃集〉していること,(2)十分な〈量〉があること,(3)手の届く〈位置〉にあることで,以上の3要素のいずれを欠いていてもそれは資源と呼ぶにふさわしくない。たとえば〈量〉のみに注目をして海水は大きな資源でほとんどあらゆる物質を含んでおり,しかも量も大きく目の前にあるといった単純な海水資源論は,水そのものの塩分などは十分に〈濃集〉されているが,これらの物質以外を抽出するとすれば費用がかかりすぎ現実的でない。かりに海水から金を採るとすれば膨大な海水を化学的に処理しなければならず,現在の技術水準ではとても採算に合わない。…

※「水資源」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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