ダイレクト・マーケティング(英語表記)direct marketing; DM

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ダイレクト・マーケティング
direct marketing; DM

顧客データベースに基づいて,いろいろな広告媒体を通じて製品・サービスを提供するマーケティングの一手法。 DMに用いられる広告媒体はダイレクト・レスポンス広告と呼ばれ,テレビ,ラジオ,電話などの電波媒体,新聞,雑誌,カタログ,ダイレクト・メールなどの印刷媒体,そしてキャプテン双方向テレビなどのニューメディアからなっている。通信販売から発展した DMの基本的な特微は,ダイレクト・リスポンス広告を媒体とした売り手・顧客間の情報伝達の双方向性と,その基礎となる顧客データベースの構築にある。顧客データベースは,個人あるいは家計の購買ニーズに迅速に対応し,かつ購買ニーズの全体を管理するための基盤である。そこでの個々の消費者の特性は,もちろん購買行動や購買ヒストリー情報が個人レベルで捕捉される。このマーケティングが進展する背景には,一方で消費者の買物時間節約志向と,他方でデータベースのコンピュータ情報処理システムや迅速に個人に商品を配達できる宅配便に代表される多頻度小口物流システムなどの流通基盤の進展がある。

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