ダウソン(読み)だうそん(英語表記)Ernest Christopher Dowson

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダウソン」の意味・わかりやすい解説

ダウソン
だうそん
Ernest Christopher Dowson
(1867―1900)

イギリス詩人。世紀末派詩人の1人。若いころ両親が相次いで自殺するという不幸にみまわれた。彼自身も病弱で、青白い繊細な感受性の持ち主であった。オックスフォード大学中退、フランスに渡り帰国後、ペイターの影響下にある「ライマーズ・クラブ」の詩人たちと交わり、『イエロー・ブック』『サボイ』などの雑誌に寄稿する。のちカトリックに改宗。小説『仮面喜劇』(1893)、短編集『ジレンマ』(1895)などがあるが、永遠の女性「シナラ」に呼びかけた叙情詩結晶度の高い傑作で、『詩歌集』(1896)がある。1900年2月23日没。

[出淵 博]

『関川左木夫訳『ダウソン詩集』全二巻(1975・大雅堂)』『平井呈一訳『ディレムマ、その他短篇小説』(1972・思潮社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダウソン」の意味・わかりやすい解説

ダウソン
Dowson, Ernest Christopher

[生]1867.8.2. ケントリー
[没]1900.2.23. ロンドン
イギリスの詩人,短編作家。退廃的な世紀末文学者の一人。短い生涯は病気がちで,放縦な生活が死を早めた。 1888年オックスフォード大学を中退。 W.H.ペーターの唯美主義の影響で詩と散文を書き,「詩人クラブ」 Rhymers' Clubの一員となる。主著は,短編集『ジレンマ』 Dilemmas (1895) ,『詩歌集』 Verses (96) ,詩劇『はかなき恋のピエロ』 The Pierrot of the Minute (97) ,『詩集』 Poems (1905) など。

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