ダビチョ(その他表記)Oskar Davićo

改訂新版 世界大百科事典 「ダビチョ」の意味・わかりやすい解説

ダビチョ
Oskar Davićo
生没年:1909-

ユーゴスラビア詩人小説家。セルビアの生れ。中学校の教師をしながら共産党の党活動をし,幾度も逮捕,投獄される。第2次大戦中,追放地のイタリアを脱してパルチザン軍に投ず。戦後記者をへて作家に転じた。初め超現実主義的な詩集足跡》(1928)などで詩的言語を大胆に用いたが,しだいに社会主義的な傾向をおびる。小説《詩》(1952)では,ナチス占領下のベオグラードに住む非合法活動家たちを描いて〈歴史の必然〉を問い,話題を呼んだ。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダビチョ」の意味・わかりやすい解説

ダビチョ
だびちょ
Oskar Davičo
(1909―1990)

セルビアの詩人、小説家。ベオグラード大学卒業。シュルレアリスムの詩人として出発し、左翼運動により5年の獄中生活を体験する。第二次世界大戦後、創作領域を広げ、小説、ルポルタージュ、旅行記、映画シナリオなどを手がける。長編小説『詩』(1950)、『コンクリート土蛍(つちぼたる)』(1956)、『無限という名の勤労』(1958)などは「愛と死」をテーマとし、独特のピッチの急テンポの文体特色がある。

[栗原成郎]

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世界大百科事典(旧版)内のダビチョの言及

【ユーゴスラビア】より

…またナゾルとコバチッチIvan Goran Kovačić(1913-43)はパルチザン戦争に身を投じて自己改革を行ったユニークな詩人である。戦前のベオグラードでは,詩人ツルニャンスキダビチョらが表現主義から超現実主義風の作品を発表する一方,ヌシッチは風刺で現実を笑殺した。
[第2次大戦後の文学]
第2次大戦後の社会主義期には,マケドニア語が詩人コネスキらの努力で文語として確立し,K.ミラディノフやラツィンKočo Racin(1908-43)の伝統を継いで,ヤネフスキSlavko Janevski(1920- ),ウロシェビッチVlada Urošević(1934- )らが輩出し,詩壇に新風を吹き込んだ。…

※「ダビチョ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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