ダヤーナンダ・サラスバティー(読み)だやーなんださらすばてぃー(英語表記)Dayānanda Sarasvatī

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ダヤーナンダ・サラスバティー
だやーなんださらすばてぃー
Dayānanda Sarasvatī
(1824―1883)

近代インドの宗教改革者。本名はムール・シャンカルMūl Shankar。カーティアワール地方のバラモンの家に生まれ、幼時よりベーダ聖典を学ぶ。22歳のとき出家遊行(ゆぎょう)者となりインドの聖地遍歴、1848年にはヨーガ行者のパラマーナンダParamānandaと出会ってこれに師事した。彼は当時のヒンドゥー教堕落を攻撃し、ベーダ聖典こそが真理の書であるとして、「ベーダに帰れ!」と主張した。のち、1875年にアーリヤ・サマージを創設し、生涯を伝道活動に送った。

[増原良彦 2018年5月21日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ダヤーナンダ・サラスバティー
Dayānanda Sarasvatī

[生]1824
[没]1883
インドの宗教改革者。本名 Mūl Shankar。バラモンの家に生まれ,幼少からベーダやサンスクリット語を修めた。 22歳のとき出家し,シャンカラ派の行者としてヒンドゥー教の聖地を遍歴し,ベーダの研究とヨーガの修行をした。 1875年ボンベイでアーリア・サマージを創設し,インドの諸宗教の因習欠陥を指摘し,ヒンドゥー思想をベーダの純粋な教養と初源の思想に戻すことを主張した。アーリア・サマージは社会改革や教育の普及などに貢献し,社会的,政治的に大きな影響を及ぼした。

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