ダライ・ラマ14世(読み)ダライ・ラマじゅうよんせい(英語表記)Dalai Lama XIV

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダライ・ラマ14世」の意味・わかりやすい解説

ダライ・ラマ14世
ダライ・ラマじゅうよんせい
Dalai Lama XIV

[生]1935.6.6. 青海
チベット人の精神的指導者。名はテンジン・ギャツォ。1940年第14世としてポタラで即位中華人民共和国の成立後,中国の一部としてチベット政府が地域自治を行なうべきだとの呼びかけにこたえなかったため,1950年夏中国人民解放軍により昌都を占領され,中国の和平解放を受け入れて 1951年5月チベット協定に調印した。1954年北京に赴き,全国人民代表大会常務委員会副委員長に選出される。1956年4月チベット自治区籌備委員会主任委員に就任。1959年3月ラサで起こった中国政府に対する暴動が鎮圧されたため,インドに亡命(→チベット暴動)。以後インドを基盤にチベット独立運動を指導,1960年代初期亡命政府を樹立。1978年12月中国政府はチベットが中国の一部であることを前提としてダライ・ラマ帰国と交渉を歓迎と発表,ダライ・ラマは代表を北京に送ったが合意にいたらなかった。1987年9月アメリカ合衆国議会で「人権5項目」を発表。同 1987年10月ラサで独立を求める暴動が発生。1988年6月ヨーロッパ議会で「ストラスブール提案」を行ない,中国政府から「半独立」,「変相独立」として拒否された。1989年3月ラサで再度暴動が起こり,中国政府は戒厳令宣言。1989年ノーベル平和賞を受賞。2011年チベット亡命政府代表の座をロブサン・センゲに禅譲した。(→チベット問題

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android