チャタートン(読み)ちゃたーとん(英語表記)Thomas Chatterton

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チャタートン」の意味・わかりやすい解説

チャタートン
Chatterton, Thomas

[生]1752.11.20. ブリストル
[没]1770.8.24. ロンドン
イギリス詩人。いわゆる「ゴシックリバイバル」の代表者。中世文書各種写本を発見したと称して自身の創作を発表,15世紀の詩人トマス・ローリー作と称する詩篇が特に有名。当時流行の中世趣味に投じて広く流布したが,この虚構は 1777年 T.ティリットに看破された。しかし作品自体の優秀さは広く認められている。 70年ロンドンでコミック・オペラ復讐』 The Revengeが上演され一時的成功を収めたが,同年8月貧窮に絶望して,わずか 18歳でヒ素をあおいで自殺した。

チャタートン
Chatterton, Ruth

[生]1893.12.24. ニューヨーク
[没]1961.11.24. コネティカット,ノーウォーク
アメリカ女優作家。 1914年 J.ウェブスターの『あしながおじさん』のジュディ役で成功し,アメリカ,イギリス各地を巡業,そのほか多くの映画にも出演小説には,『裏切り者』 The Betrayers (1954) ,『孔雀の誇り』 The Pride of Peacock (55) などがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「チャタートン」の意味・わかりやすい解説

チャタートン
ちゃたーとん
Thomas Chatterton
(1752―1770)

イギリスの詩人。父親の家系には代々教会の寺男が多く、早くから教会の古文書に親しみ、16歳のころ中世風のつづり、用語、文体、文字を駆使して、架空の詩人ローリーRowley名の詩を仕上げた。やがてロンドンに出たが生活に行き詰まり、18歳たらずで砒素(ひそ)をあおって死ぬ。彼の早熟な才能の開花と悲惨な結末が次代のロマン派詩人の想像力をかき立てた。『ローリー詩集』が死後刊行(1777)された。

[早乙女忠]

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