テルピネオール(読み)てるぴねおーる(英語表記)terpineol

日本大百科全書(ニッポニカ) 「テルピネオール」の意味・わかりやすい解説

テルピネオール
てるぴねおーる
terpineol

1,8-テルピンから1分子の水が脱離して生成する不飽和モノテルペンアルコールの総称。α(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)、δ(デルタ)の4種類の異性体が知られている(図A)。オレンジ油、杉の葉の精油に(+)-α-テルピネオールヒノキの精油にはβ-テルピネオール、マツ科の植物の葉にはγ-テルピネオールが含まれている。市販のテルピネオールは1,8-テルピンを薄い酸により脱水してつくったもので、α-テルピネオールが主成分である。このものはライラックに似た香りをもつ液体で、香料原料として用いられる(図B)。

[廣田 穰]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テルピネオール」の意味・わかりやすい解説

テルピネオール
terpineol

化学式 C10H18O 。モノテルペンアルコールの一種。 (1) α体 ライラック様の匂いをもつ結晶光学異性体があり,d 体 (融点 38~40℃) はテレビン油やオレンジ油に含まれ,l 体 (融点 37~38℃) はショウノウ油レモン油に多く含まれる。 (2) β体 ヒアシンス様の匂いをもつ。融点 32~33℃。 (3) γ体 ライラック様の匂いをもつ。融点 68~70℃。いずれも香料に用いられる。

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