日本大百科全書(ニッポニカ) 「テルフォード」の意味・わかりやすい解説
テルフォード
てるふぉーど
Thomas Telford
(1757―1834)
スコットランドのダンフリー州生まれの指導的土木技術者。30歳まではエジンバラ、ロンドン、ポーツマスで建築家として活躍。やがて運河、橋梁(きょうりょう)、港湾、道路建設に数々の偉業を達成。1793年にセバーン、ディー川を結ぶエルズメア運河、1822年にはスコットランド北海岸沿いのカレドニア運河を、ナポレオン戦争によるインフレーション、材料や労働力不足と苦闘しながら完成。1819~1826年に架けたメナイ海峡吊橋(つりばし)(アングルシー島と本土とを結ぶ)は橋梁技術の金字塔。1808~1810年にスウェーデンのゴータ運河(バルチック海と北海間)を計画、1832年に完成。またスコットランドの多くの港を築き、全国1480キロメートルの道路を構築、砂利と石の4層からなる独特の道路舗装を発明した。1820年イギリス土木学会初代会長となった。
[高橋 裕]