アングルシー島(読み)アングルシーとう(英語表記)Anglesey

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アングルシー島」の意味・わかりやすい解説

アングルシー島
アングルシーとう
Isle of Anglesey

イギリスウェールズ北西部の単一自治体(ユニタリー unitary authority)。ウェールズ語では Ynys Môn。アイリッシュ海南東部に位置し,狭いメナイ海峡により本土から分けられたアングルシー島と,西岸沖のホーリー島からなる。行政府所在地は,アングルシー島中部の市場町ランゲブニ。ホーリー島の中心都市はホリーヘッド。旧アングルシー県と全域が重なる。1974年の自治体再編でグウィネズ県に属するアニスモーン地区となり,1996年現名称に改称して単一自治体となった。アングルシー島は,地質的にはイギリスで最も古い地域の一つで,基盤は先カンブリア時代の岩石からなり,その上を下部古生層が覆っているが,ところどころに基盤の岩石が露出し,全体に削剥されて準平原化した低平な地形起伏を与えている。島内には先史時代の遺跡が多く,早くから人が住んでいたと考えられるが,前100年頃にはケルト人が入植し,ドルイド教(→ドルイド)の信仰中心地として知られるようになった。これを滅ぼすためウェールズに侵入したローマ人が 78年島を占領。ローマ人撤退後,アイルランド人,サクソン人バイキングノルマン人などにしばしば侵入されたのち,イングランドエドワード1世在位 1272~1307)に征服された。中世には北ウェールズ有数の穀作地帯となり,羊毛工業も発展。18世紀後半北東部で銅鉱床が発見され,1775年以降大規模な開発が進み,一時は世界の銅市場を支配したが,1871年閉山。現在主産業は農業牧畜養豚などであるが,海岸地帯は保養地として知られ,観光業も重要。本土とアングルシー島,アングルシー島とホーリー島とは鉄道・道路橋で結ばれている。単一自治体面積 715km2。単一自治体人口 6万8700(2004推計)。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アングルシー島」の意味・わかりやすい解説

アングルシー島
あんぐるしーとう
Anglesey

イギリス、ウェールズ北西部に位置する島。西に属島のホーリー(別名ホリヘッド)島をもち、鉄道・道路橋で結ばれる。グレート・ブリテン島とは幅200~400メートルの狭いメナイ海峡で隔てられている。面積714平方キロメートル、人口6万6828(2001)。おもに先カンブリア系の岩石からなる平坦(へいたん)な島で、付近の最高点はホーリー島のホリヘッド山(220メートル)。本土とは道路橋と鉄道橋で結ばれる。農業、牧羊、観光が主産業。アイルランド行きの定期船が出港するホリヘッドと、メナイ海峡に臨むボーマリスがおもな町。古名をモナ島といい、古代ケルト人に信仰されたドルイド教が存在した。

[小池一之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android