ディッキンソン
Emily Elizabeth Dickinson
生没年:1830-86
アメリカの女流詩人。ニューイングランドのマサチューセッツ州アマーストに生まれ,一生独身で過ごした。その原因は州議員や連邦議員を務めた強い性格の父のためとも,失恋事件のためともいわれているが,当時の社会での女性としての自立のためとも考えられる。イギリスの女流詩人E.B.ブラウニングの生き方や詩に共鳴して,1775編余りの短詩を書いたが,その型破りの詩法は当時の詩風に合わず,1冊の詩集も出さないで世を去った。20世紀になって,現代詩の普及とともに名声がにわかに高まり,1955年に《全詩集》が出ている。女性的で才知にあふれた詩はアメリカ詩の一系譜を形成している。
執筆者:新倉 俊一
ディッキンソン
John Dickinson
生没年:1732-1808
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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百科事典マイペディア
「ディッキンソン」の意味・わかりやすい解説
ディッキンソン
米国の女性詩人。ピューリタンの家に育ち,妻子ある牧師との恋に破れたのち,孤独のうちに数多くの短詩を書き続けた。これらは死後3巻の《全詩集》(1955年)にまとめられ,20世紀に入ってイマジズムの先駆として高い評価を受けるに至った。
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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世界大百科事典(旧版)内のディッキンソンの言及
【アメリカ文学】より
…一人はポーで,詩,評論,アービングの流れを汲むゴシック・ロマンス末期型の短編や推理小説の元祖的作品を通じて,美と恐怖の宇宙を創成した。もう一人は生前まったく世に隠れて,きわめて私的な自己の世界を磨き,宝玉のような短詩に表現していったエミリー・ディッキンソンである。
[リアリズムの時代]
南北戦争(1861‐65)から戦後の〈[めっき時代]〉にかけてアメリカ社会の広範さ,多様さが強く意識され,また人間性の概念が変化した。…
※「ディッキンソン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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